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新型コロナウイルスによってニッポンの産業に再編の波が押し寄せている。甘い経営を続けていた企業へのダメージは大きく、大手も破綻した。緊急事態宣言は解除されたが、「ニューノーマル」のもと経営への打撃は続く。アパレル、百貨店、自動車、航空――。主要産業でどんな再編が起き得るのか。不確実性が高まるなか、大胆に予測することでコロナ後の秩序を考える。

三菱自動車は2016年に日産ルノー連合に加わった。新型コロナの影響で3社ともに大きく揺さぶられている(写真:AP/アフロ)

 「生き残れないメーカーが間違いなく出てきて、グローバルな再編が起きる」。ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹代表はこう語る。新型コロナはどのメーカーにとっても大きな打撃となったが、特に11年ぶりの最終赤字となった「日産自動車など日仏連合の動向が焦点となる」(外資系投資銀行)のは衆目の一致するところだ。

 「ルノーは消滅する可能性がある」。5月22日、フランスのルメール経済・財務相はラジオ番組でこう語った。仏政府は同社の株を15%持つ筆頭株主だ。経済閣僚がこんな表現をするほど追い込まれ、同社は約1万5000人の従業員削減などリストラを発表した。

 そのルノーが筆頭株主として43%を出資する日産は、2020年3月期に6712億円の最終赤字となった。自動車メーカーや投資銀行の関係者の間では、生き残れないメーカーの代表格がルノー、日産ではないかとささやかれている。

 ルノーのジャンドミニク・スナール会長は5月27日、収益改善へ協業を加速すると表明した。「経営統合は必要ない」とし、今の枠組みのまま関係を深めるという。だが、日仏連合の行方について想定しておくべきシナリオは他にもある。「世界の自動車販売は年間1000万台以上減る。協業強化ではどうしようもないほど車が売れなくなるかもしれない」(中西氏)からだ。