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新型コロナウイルスによってニッポンの産業に再編の波が押し寄せている。甘い経営を続けていた企業へのダメージは大きく、大手も破綻した。緊急事態宣言は解除されたが、「ニューノーマル」のもと経営への打撃は続く。アパレル、百貨店、自動車、航空――。主要産業でどんな再編が起き得るのか。不確実性が高まるなか、大胆に予測することでコロナ後の秩序を考える。

 1便飛ばすと、百万円単位の赤字が出る――。新型コロナの影響が日本で深刻化した3月以降、航空各社の搭乗率は急低下し、こんな状態の便も多くあったという。緊急事態宣言が解除され、街には人の姿が目立つようになったが、空港の人影はまばらだ。

利用客がどこまで戻るか見えず、苦しい経営環境が続く(写真:アフロ)

 国際航空運送協会(IATA)は国際線の需要が2024年まで回復しないと予想している。豪ヴァージン・オーストラリアやコロンビアのアビアンカホールディングス、タイ国際航空が破綻に追い込まれた。日本でも、すべての航空会社が存続の危機に立たされ、ANAホールディングス(HD)、日本航空(JAL)、スカイマークなどは政府系や民間の金融機関に融資を要請し、生き残りを図る。

 だが、全社が生き残れるのだろうか。

 実は、大手2社の先行きを不安視する声はあまり多くはない。ある航空会社幹部は「ANAは完全に自民党(銘柄)だからつぶれないだろう」と話す。10年に経営破綻したJALは、民主党政権のもと税制優遇や公的資金投入を受けながら再建し、12年に再上場した。自民党やANAHDは国による「過剰支援」と反発。政権交代後は、逆に羽田空港の発着枠配分などでANAHDへの優遇が続いている。

 「有利子負債が多く資金面でより厳しいANAを救ってJALを救わないのは道理に合わない」(銀行関係者)。大手2社は国の後ろ盾もあり現状が維持されるとの見方が有力だ。

 2強以外の勢力はどうなるのか。スターフライヤーやAIRDO、ソラシドエアはANAHDがそれぞれ10数%出資し、コードシェア(共同運航)を実施するなどANAのグループ色が濃い。いざとなればANAHDが融資や機材リース料の減免などに動くとみられている。

 最大の注目は大手2社に次ぐ事業規模(19年3月期の売上高は882億円)で独立系のスカイマークだろう。