エンジニアは常に「次はあそこを直したい」と思ってる
小野:「最新のマツダと、いつまでも。」というキャッチフレーズがありまして。(https://www.mazda.co.jp/carlife/spirit-upgrade/d11/)
―― 加山雄三さんかしら(笑)。
小野:お客様のお考えは様々だと思いますけど、やっぱり、選んで買っていただいたクルマには長く乗っていただきたいですし、長く乗りたいというお客さんもいらっしゃいますよね。
―― それはそうですよ。

小野:高い買い物ですから。そういう思いから「最新のマツダと、いつまでも。」。有償になってしまったところは申し訳ないと思いながらも、これまでだったらクルマを買い替えたのと同じぐらいの改善はたぶんできているはず、と。
―― もちろん安価なほどありがたいですが、個人的には5万円でこれが手に入るなら文句ないです。
小野:そういうふうに言ってもらえるとうれしいです。
―― ユーザーにとっては「何だよ、1年後に買えばよかったよ」という悲劇に陥らずに済むし、販売側にしたって思いは同じですよね。何より、小野さんみたいなエンジニアの方が心に刺さったトゲが抜けるじゃないですか。
小野:それは一番大きいですね。本当。
―― ですよね。一つ話で恐縮なんですが、マツダの元会長の金井誠太さんが、インタビューのときにこんなことを言っていて。
新型車が出た日、そのクルマの主査は満足感に浸っているか。とんでもない。『ああ、あそこを直したい、ここも何とかしたい』と思っている。一生懸命やったから、エンジニアとしてのレベルが上がって、それまで見えなかったところが見えてくる。だから、やりたいこと、やるべきことはいつまでも残る。これは「手戻り」とは違う、成長の結果なんですよね。
(『マツダ 心を燃やす逆転の経営』278ページ)
―― 終わった瞬間に、眠れないくらい「あれをやれたら」と悩む仕事もある、という。
小野:ずっと、まあ、眠れないまではいかなかったですけど、もうちょっと時間があればできたのにという思いはやっぱりいつも、何かしらありますね。ベストを尽くして、どうしてもできなかったことについては、こういう改良ができる機会をみつけて、どんどん改善していきたいと思います。
(おわり)
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