崎田:その後、「いまトピ」というウェブサイトの方から、イラストの仕事で声をかけてもらったのですが、最初は全然PV(ページビュー)がとれなかったんです。そこで、編集さんと相談して4コママンガでストレッチを描き始めて、自分のツイッターアカウントから発信したところ、徐々にリツイートされるようになりました。

 そうしたら、フォロワーの方々から「このストレッチでラクになりました」という反応をいただくようになって。そこで初めて「あ、自分にはこういうものが描けて、人に喜ばれるんだ」って分かったんです(元ツィートはこちら

崎田さんは今も自身のツイッター(@sakitamina)でストレッチなどについてツイートしている。(©崎田ミナ)
崎田さんは今も自身のツイッター(@sakitamina)でストレッチなどについてツイートしている。(©崎田ミナ)
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(©崎田ミナ)
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―― それはよく分かる。崎田さんの絵を見たとき、「何をやればいいか、それでどこに効くのか、っていうイメージがぱぱっと頭に入るな」って思いました。

崎田:ありがとうございます、うれしいです。

―― 古い男なので、新しいことを始めるときは本に頼るんですよね。英語の本、料理の本、そして。エクササイズ系の本。でも、正直どれもうまくいかない。「結局こういう本の大半は、既に“分かってる人”が見るものなんじゃないかな」って思います。

崎田:どうしてでしょうか。

―― エクササイズ系の場合は、自分が「本が解説している通りにできている」という、実感が持てない。それが大きな理由でしたね。

 それで、しかたがないので、パーソナルトレーニングを受けてみたんです。そこがけっこう理屈っぽく教えてくれるところだったんですよ。もう、我々オヤジ世代にぴったりですよね。

崎田:オヤジにぴったり? なぜですか?

理屈っぽさがオヤジには重要なんです

―― 理屈っぽく、ってところが大事なんです。「『なぜこれをやらねばならないか』をきちんと説明しないと、年長の男性会員さんはやってくださらないんです」と、若いトレーナーさんが言ってましたが、まさにその通りで。

崎田:ははあ……。

―― 自分でもそうだと思います。「この動作ではこの筋肉が……」みたいなことを言われると、「あー、なるほど」と。「どこを鍛えてるかっていうのが分かってるっていうのは、すごく大事なんだ」ってそのとき思ったんです。……またヘルスの編集者が睨んでますね。はい、私、自分の話ばっかりしてますけど、もうそういうものだと思ってください(笑)。

崎田:分かりました(笑)。

―― パーソナルレッスンは効果はありました。お小遣いで通うのは厳しいので止めましたが、「自分の体の中の仕組みを知って機能を高めていくというのは、なかなか心地いいものだな」っていう経験が残ったんですね。記憶があるうちにこれを定着させたい。その手がかりなるような教本でいいのがないのかな、と探したわけです。

 そこでターミナル駅の1階にある大型書店さんの健康本のコーナーに行って、端から全部チェックしました。性格的に網羅性重視なので。女性のしなやかなポーズの写真があって、引き出し線があって、インストラクターさんが良いこと言っている本が大半で、「うーん、こういうのだと分からないんだよ」と思いながら見ていったら『体メンテ』の表紙がぽっと目に入って。

崎田:わ、渋いのをありがとうございます。

―― あれ? 渋いですかね? で、めくったら先ほど申し上げたように、伝えたいことであふれかえっているー! と。執念すら感じました。

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