学習マンガから始まって、セリフ付きのイラストで知らない物事を吸収するのが好きな私。2021年11月、弊社から『ひとりほぐし』という、マンガでセルフマッサージを解説する書籍が出た。著者はマンガ家でイラストレーターの崎田ミナさん。『ずぼらヨガ』『すごいストレッチ』などで現在累計65万部を超えるヒットメーカー。『ひとりほぐし』も発売から4カ月で10万部を突破という勢いだ(「日経ヘルス」編集部に代わりまして、ありがとうございます)。
この本の担当編集者に「うちから出た崎田さんの本、いいね」と言ったら「えっ(なんでこの人が読んでるの、という顔)」と返され、内心、オヤジだってほぐしたりメンテしたりしたいんだぞ、とムッとして「崎田さんの前作『体メンテ』、買って試したら見事に腹が凹んだんだよ!」と熱く語ったところ、「そんなにお気に入りなら」と、崎田さんにお会いできる運びとなった。早い話が販促を期待されて連載枠をジャックされたのだけど、「知識の伝え方」として、とても面白いお話が聞けたので、前後編でご紹介させていただく。
―― はじめまして。どうぞよろしくお願いいたします。
崎田ミナさん(以下、崎田):この連載、『ハコヅメ』の泰三子(やす・みこ)先生が出てましたよね!
―― は、はい。
崎田:うわあ、私、大ファンなんです! 先生と話せてうらやましい! もちろん全巻持ってます!
―― そうなんですか! だったらぜひいろいろとお話ししたいことが……あるんですが、ヨコで日経ヘルスの編集者が睨んでますので、崎田さんのお話を聞いていきたいと思います。この『ひとりほぐし』で著書は5冊目で。
崎田:はい、そうです。

イラストレーター、マンガ家
「伝えたいこと」があふれかえっている
―― 私はこの中の4冊目の『体メンテ』に引っかかってですね……ページをぱらっとめくった瞬間に、「伝えたいものがあふれ返っている!」「そして、分かりやすい!」と。
崎田:ありがとうございます。
―― 読んで実際にやってみて、こんなにきちんと自分の体に効果が出た「からだの本」は初めてだったので、正直、感動したんです。最新作の『ひとりほぐし』も参考にして、体をほぐしています。イラストでヨガやストレッチを解説するスタイルでブレイクされた崎田さんですが、どういう経緯でこういったお仕事を?
崎田:最初から、「読者の方にラクになってもらいたい!」というような立派な目的は、実はなかったんです。『ずぼらヨガ』にも描いている通り、イラスト・マンガ家業をうつ病で3年間ドロップアウトしてましたし。その間、うつ病を治す目的でヨガやバイトをしていましたが、ストーリーマンガ家になりたい気持ちは持ち続けていたんですね。それで、体調が「まぁ良くなったかな」と思ったところで描いた原稿をいろいろなところに持ち込みましたが、全部ダメで。
―― あらら。
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