「癒やし」や「ゆとり」を求めているZ世代

河村:ここからは視聴者の皆さんからの質問に回答いただきます。

「界タビ20s」は、20代にとっては利用しやすい価格帯ですが、そのままだと客単価が下がってしまうように思います。客単価を上げる施策は用意していますか。

梅ケ谷氏:オプションプランは用意しているのですが、正直に言うと客単価は下がってもいいと思っています。「界タビ20s」の目的は、現在の20代顧客ではなく将来の顧客獲得だからです。オプションプランも滞在中の消費を増やすという観点よりむしろ、もう一度利用したいと思ってもらえるプランをご用意しています。

温泉旅館は中高年がメインターゲットの印象があります。20代に向けて界を訴求する際、どういった部分が魅力になりますか。

梅ケ谷氏:20代に向けても温泉旅館の本質であるゆとりある滞在や、癒やされる滞在を訴求しています。というのも、学生から社会人へとライフスタイルが大きく変わる中で、旅行に癒やしやゆとりを求める傾向が20代にもあると調査で分かったからです。実際に、今の訴求は20代にすごく響いていると感じます。

先ほど、Z世代のトレンドを「花火」に例えていましたが、これから「花火」が上がりそうな場所はどこですか。トレンド予想を教えてください。

今瀧氏:実は自分で「花火」を打ち上げる方が早く、小さいプロモーションを掛け合わせてトレンドを生み出していくのが理想だと思うのですが、今後のトレンドで言えば、海外で先行して起きているアフターコロナのライフスタイルや、働き方に対する関心にもっと目が向くようになると思います。

トレンドの期限が短いとのことですが、なぜそのようなことが起きるのでしょうか。Z世代は、興味が色々と移りやすい世代なのでしょうか。

今瀧氏:2つ理由があると思います。1つはプラットフォームの特性上の問題です。例えば、テレビドラマであれば、毎週同じ時間帯に番組が放映され、1クールをかけて話題が広がっていきました。一方、SNSのタイムラインは情報が次々に流れてしまいます。そうしたSNSの特性がトレンドの短さに関係していると思います。もう1つ、情報量の多さも要因に挙げられます。あまりにも触れる情報が多く取捨選択に迫られているため、トレンドのスパンもまた短くなっているのだと思います。

SNSではなく対面(オフライン)のコミュニケーションについて、Z世代の特徴はありますか。

梅ケ谷氏:Z世代に限らないかもしれませんが、オンラインがどんどん発達しているからこそ、オフラインの良さに気づく、価値をおくことはあると思います。インプットと、アウトプットするためのオンラインと、体験のオフラインと。その両方の掛け算の回数や質が、Z世代の体験の鍵を握ります。

 オンラインで情報を収集して、それをオフラインに生かす行動は、旅行の中でもよく目にします。オンラインと実際の体験にかい離があると、顧客体験を損ない、お客様の次のアクションにつながりません。ですから、マーケティングする上でも、オフラインである滞在先の現地のことをよく知り、お客様がオフラインでどんなことに興味を持って、どんなことをしているのか把握する必要があると思っています。

河村:もう少しお話を伺いたいところですが、残念ながら終了のお時間となりました。梅ケ谷さん、今瀧さん、最後にこのウェビナーを受講している皆様に向けてメッセージをお願いします。

梅ケ谷氏:星野リゾートは「界タビ20s」はもちろん、これからもニーズを捉えながら進化していきますので、私たちの取り組みにも期待していただければと思います。本日はどうもありがとうございました。

今瀧氏:今後、Z世代はもちろん、他の世代とも手を取り合って、もっと日本を盛り上げていければと思います。皆さんの会社にもZ世代の社員がいらっしゃると思うので、今日のお話が少しでもZ世代も交えてプロジェクトを進めるきっかけになればうれしいです。本日はどうもありがとうございました。

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