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 趣味人倶楽部が、外部企業とオンライン会議を使ったイベントを開催するのは今回が初めて。今後も製品の体験会やバーチャルツアーなど、外部との取り組みを強化する。例えば、20年6月25日に開催した日本酒「獺祭(だっさい)」のイベントでは、製造する旭酒造(山口県岩国市)から参加者に利き酒セットを送り、Zoom上で蔵元のバーチャルツアーを実施した。参加料は2000円。

 提携する企業が支払うオンラインイベント実施の標準的な料金は50万円からと設定している。「イベントを通して学べる、修了の認定証を受け取って承認が得られる、コミュニケーションを取りつつ旅行をした気分になれるといった新たな体験を生み出し、プロモーションの場としての価値を高めていく」とオースタンスCEO(最高経営責任者)の菊川諒人氏は話す。

Zoom化でセミナーの人数が26倍に

 会議室などリアルの場で実施していた集客用のセミナーをZoomでオンライン化する取り組みも広がっている。Zoomの特性を生かし、企画の柔軟性を高めることで、セミナー参加申し込み数を前年の26倍に増やしたのは、AI(人工知能)を使った中古マンション情報サービスを展開するHousmart(ハウスマート、東京・中央)だ。新型コロナの感染が拡大した20年3月中旬から、Zoomを使い、中古マンション購入セミナー「カウルゼミ」をオンライン開催している。

 同社は19年2月からリアルの場での中古マンション購入セミナーを展開してきた。当初は50人ほどが集まる会議室で実施していたが「大人数のイベントでは周囲を気遣って、質問が出ないことが多い。そこで学区別、年収別、外国人向けなどセグメント別のテーマを掲げ、10人ほどに集まってもらうようにした」(カウルゼミの企画を担当するコミュニケーションデザイングループの佐藤郁江氏)。その効果によって「購入意欲の高い方の要望に応えられるようになり、19年末には参加した人の約9割が講師との個別相談に進むようになった」(佐藤氏)。

Housmartが開催した中古マンション購入セミナー。複数のオンライン会議システムを検討したがコストの安さでZoomを選択したという

 20年3月中旬には、新型コロナウイルスの影響により会議室でのセミナーの開催が難しくなり、オンライン化を余儀なくされた。4月の緊急事態宣言後は、多くの顧客が物件の見学を自粛。同社はオンラインセミナーへ注力する方針に切り替え、100人規模のオンラインセミナー開催に踏み切る。「コロナショック、本当に今買うべきか徹底解説」と題し、「購入を検討している誰もが気になっているテーマで開催した」(佐藤氏)。これが大きな反響を呼び、定員100人としていたところへ、400人以上の応募が寄せられた。

Housmartの不動産情報アプリ「カウル」。アプリ上の告知やメルマガで参加者を集め、セミナーを開催している

 Zoom上では参加者が質問をテキストで書き込む機能があり、多くの質問が寄せられた。リアルのイベントでは大人数の時に対話が盛り上がらないという課題も克服できた。4月は3週連続で同じテーマのセミナーを開催し、毎回満席。5月から週末だけでなく、頻度を週3回に増やし、新型コロナに関連しながらも、より具体的な物件探しに関するテーマに切り替えていった。5月は緊急事態宣言の解除を見据えた具体的な物件探しの要望が高まっていると見たためだ。