コロナ禍で急速に浸透したリモートワークやワーケーション。どんな場所で、どんな人が利用しているのか。その実態を、定額制宿泊サービス「HafH」を提供するKabuK Style(長崎市)代表の大瀬良亮氏に聞いた。

コロナ禍で一気に定着したリモートワーク。働き方が多様化している中、会員数を伸ばしているのが、KabuK Style(カブクスタイル)が展開する「HafH(ハフ)」だ。HafHは、36カ国809拠点(21年5月時点)から滞在場所を選ぶことができる定額制の宿泊サービス。日本では47都道府県580拠点に宿泊ができる。
HafHと提携する施設には、海が見えるビジネスホテル、温泉付き旅館などさまざまなものがある。プランは月に1泊から1カ月まで5種類あり、予算や利用目的に合わせて利用できるのがポイントだ。
KabuK Style代表の大瀬良亮氏は「ライフスタイルの多様化という大きなトレンドの中で、ワーケーションで利用する人もいる。ワーケーションというと、地方に移動して働くイメージが強いと思うが、都心に住みながら都心のホテルを利用する“ステイケーション”も多い」と、ワーケーションの実態を語る。
1番人気は「渋谷のホテル」
自宅でのリモートワークは、家族以外と触れ合わずに家にずっといること自体がストレスとなってしまうこともある。小さい子どもがいる場合は、なかなか集中する場を設けることも難しいだろう。「気分転換で自宅とは別の場所で仕事ができることも、ワーケーションのニーズの1つ」(大瀬良氏)
そのニーズはHafH施設利用のランキングにも表れている。20年の都道府県別利用泊数ランキングにおいて、予約数が最も多かった都道府県は東京都、次いで長崎県、福岡県だった。東京都は宿泊割合も約3割と、ホテルでのステイケーション利用や、都内在住者の働く場所としての宿泊利用が反映されているという。本社が長崎県にあり、人口に比べると長崎や福岡の会員数が多いのがHafHの特徴だ。直営拠点もあり、長期滞在の利用も多いため上位にくい込んだ。
HafH利用者の施設別21年上半期宿泊数ランキングを見ても、渋谷や六本木のホテルが人気だ。
1位は「ザ・ミレニアルズ渋谷」。コワーキングスペースが併設されており、“気分を上げる”にはもってこい。ホテルの共用部が全面積の20%と広く、ワーキングスペースの他、セルフキッチンなども24時間利用できる。寝室は「スマートポッド」という半個室になっており、ソファからリクライニングするベッドで過ごすことができる。それら操作はすべてiPodでコントロールでき、アラームを設定すればベッドが少しずつ立ち上がるなど、IoTを活用した次世代型の宿泊を体験できる。

3位の「HafH Fukuoka THE LIFE」は、HafHの直営店だ。コリビングスペースでは、会員同士で交流するだけでなく、一緒にイベントを開催したり、ビジネスしたりと、さまざまな出会いの可能性を秘めている。「直営拠点は利用会員も多く出会いがある。特に長期滞在する人が多いのも特徴」(大瀬良氏)
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