10年後のスノーピーク

最後に10年後を見据えた場合、スノーピークをどのような会社にしていきたいですか。

社長 まず、スノーピークがどういうブランドになりたいかっていうと、自然界における生活必需品になりたい。今、スノーピークっていう会社がキャンプの価値、キャンパーの価値観を軸に、アパレル事業だったり、住宅事業だったり、キャンピングオフィスだったりを展開しています。衣食住、働く、遊ぶという、人が生きるすべてのベースで自然指向のライフバリューを提供できるブランドになってきています。すべての自然との関わりにスノーピークがある、そんなブランドを目指したいですね。

仕事環境にもキャンプを持ち込んだスノーピーク。異業種とのコラボは、今後あらゆるシーンで目にすることになりそうだ
仕事環境にもキャンプを持ち込んだスノーピーク。異業種とのコラボは、今後あらゆるシーンで目にすることになりそうだ

ということは、事業の領域もさらに広がっていくのでしょうか。

社長 そうですね。例えば、今後は学ぶ領域などもやってみたいですし、それこそ自然指向の老人ホームとかがあってもいいかなと思っています。

それはいいですね、会長はいかがでしょうか。

会長 いろんなフェーズで時代が変化してきて、スノーピークも変わってきました。でもここ10年くらい、僕らも新しいマーケットに出ていくときに、改めてスノーピークの存在理由とか、うちってどんな会社なんだろうということを言語化してきました。簡単に言うと、キャンプの力を使って社会の問題を解決したり、人々の人生価値を高めたりできる会社。今は日本なら日本だけ、米国なら米国だけのスノーピークコミュニティーができていますが、10年後にはグローバルでユーザー同士がつながっている世界をつくっていたいですね。

それはアウトドア業界としては、今までなかった取り組みになりますね。

会長 例えばアプリをグローバル対応にして、その中にコミュニティーがつくれるような機能も実現できれば、ポイントカードは世界中で使えるし、日本のキャンプイベントに海外から飛行機で来て参加することもできる。リアルでもオンラインでも、いろいろな仕掛けができると思うんです。それが他の会社で、他の産業でできるかといったら、あまり見当たらないんですよね。そこがスノーピークの特異性だと思っています。

「キャンプを使えば、さまざまな問題を解決できる」という山井太会長の信念は、次世代にも受け継がれていく
「キャンプを使えば、さまざまな問題を解決できる」という山井太会長の信念は、次世代にも受け継がれていく

社長 アウトドアの枠を超えていって、生活そのものになっていけるブランドってスノーピークくらいしかないと思うんです。これまで手がけてきたすべての事業に、スノーピーク的な価値観というのがちゃんと備わっていますし。いい会社です(笑)。

会長 キャンプが持っている力を一番認識して、そこを信じて、一番その度合いを強く事業化している会社がスノーピーク。10年後はもっとすごいことになっているので、地球を良くするためにスノーピークを応援していただければと思います。

(文・構成/松井直之 写真/村田和聡 写真提供/スノーピーク)

(この記事は、日経クロストレンドで4月16日に配信した記事を基に構成しました)

※この記事を含む特集「トップ激白 スノーピークのヒット考」は日経クロストレンドに掲載されています。

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