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マーケターにとって、いまひとつつかみどころがない「Z世代」。10年後には消費の中心にいるはずの彼ら、彼女らはどんな価値観を持ち、どんなブランドを好み、何に金を使っているのか。特集第1回は、3万人超の調査結果から、Z世代の女性にフォーカス。その実態を浮き彫りにする。

「Z世代」と呼ばれる世代は諸説あるが、ここでは1996~2010年生まれとする。その前のミレニアル世代とも異なる価値観や志向を持つ(写真はイメージです)(写真/Shutterstock)

 1996~2010年生まれの「Z世代」と呼ばれる世代は、デジタルネイティブといわれたミレニアル世代(1981~1995年生まれ)のさらに先を行く、生まれながらの「デジタルトランスフォーメーション(DX)世代」といえる。その価値観や消費行動はつかみがたい。だが、10年後にはマーケットの中心となる世代であり、その攻略法を早く見極めたいところだ。

 今回のZ世代特集では、調査データやZ世代を集めた座談会、先進企業の取り組みなどを基に、彼ら・彼女らの価値観や消費行動を明らかにしていきたい。第1回は、マクロミル ブランドデータバンクの調査結果から1996年生まれ以降の女性(現在18~24歳)のデータを抽出。女性全体の調査結果と比較しながら、その特徴を浮き彫りにしていく。

 ブランドデータバンクが定期的に実施する約3万人の調査結果をベースに、年代や性別ごとに価値観や好きなブランドを分析した。デザイン誌「日経デザイン」で10年以上続けてきた連載記事の手法を基にしている。新型コロナウイルスの拡大で消費行動は大きく変わっているが、Z世代の消費に対する考え方の特徴を捉えるうえで参考にしてほしい。

Z世代の女性は意外に懐具合が暖かい?

●「Z世代女性」の平均小遣いは月2.5万円
「Z世代女性」とは、マクロミル ブランドデータバンクの調査結果(2019年12月実施)から、18~24歳女性のデータを抽出したもの。「女性全体」とは、全年齢の女性のデータを抽出したもの

 この調査結果(2019年12月実施)におけるZ世代女性(1012人)は、平均年齢21.0歳だ。平均世帯年収は549.6万円、平均個人年収95.9万円、月の平均小遣いは2.5万円だ。有職者(338人)だけを見ると、個人年収が211.1万円で、月の小遣いは3.5万円となる。

 女性全体(1万5731人)で見ると、平均年齢45.1歳。平均世帯年収566.1万円、平均個人年収149.5万円、平均小遣いは月2.6万円となっている。Z世代女性の平均小遣いは、女性全体より月1000円少ない程度で、両者の間にさほど開きはない。

 この調査から10年前、つまり2009年12月に実施した調査では、当時の18~24歳の女性は平均世帯年収473.1万円、平均個人年収86.4万円、平均小遣い月2.2万円だった。Z世代女性は10年前の同年齢の女性たちに比べると懐事情にはゆとりがあると分かる。

アニメや音楽のイベントにお金を使うZ世代

●「Z世代女性」と「女性全体」が年間に使用する金額の差
Z世代女性が年間に使用する金額で、女性全体との差額が大きい項目をピックアップした。プラスの1~3位は音楽関連が独占。女性全体と比べると、Z世代女性は年間約5000円多く費やしている

 Z世代女性は、お金をいったい何に費やすのか。彼女らが女性全体と比較してお金(年額)を多く使っている分野を見ると、トップ3は音楽に関連する項目ばかりになった。イベントや音楽関連商品、音楽デジタルコンテンツに、合わせて年間約3万6000円費やしている。女性全体と比較すると、年間約5000円多く使っていることになる。

 一方、女性全体と比較して少ないのが、観劇やスポーツ観戦だ。コト消費への意欲が強いというイメージが強いZ世代だが、スポーツや観劇などは例外のようだ。これらの出費を抑えながら、自分が好きな音楽コンテンツ、音楽イベントにつぎ込むZ世代女性の姿が見えてくる。