メンズコスメが広がった背景には、新型コロナ禍も関係しているとみられている。テレワークの広がりで、リモート会議をする機会が増えた。カメラを通して自分の顔に向き合うようになり、以前は気にならなかった表情の疲れや肌荒れが気になる人が増えたというのだ。在宅時間が長くなったことで、入浴やスキンケアにかける時間を取りやすくなったことも大きい。

 従来のメンズコスメは、「男性らしいかっこよさ」や「異性からのモテ」を意識した商品が多かった。パッケージは黒や白といった寒色系で、メンソールが入ったすっきりとしたイメージの商品だ。

 アンド・コスメ(大阪市)が16年に立ち上げたメンズコスメブランド「BOTCHAN」は、そんなメンズコスメの市場でひときわ異彩を放つ存在だ。パッケージはオレンジやピンク、黄や緑など、非常にカラフル。商品ラインアップは、洗顔フォーム、化粧水、美容乳液、メンズ肌補正クリーム、コロンスティック、リップバームの6種類で、ラインアップごとにデザインが異なる。天然植物由来成分にこだわり、パラベンフリー、ノンアルコール、無着色など、肌の負担になりにくい商品づくりが特徴だ。

左から、ボッチャン ジェントルクレンザー(2090円、税込み、以下同)、ボッチャン フォレストトナー(2200円)、ボッチャン フラワーモイスチャライザー(2530円)、ボッチャン スキンパーフェクター マット(2530円)、ボッチャン コロンスティック(2530円)、ボッチャン ハニーリップバーム(1430円)
左から、ボッチャン ジェントルクレンザー(2090円、税込み、以下同)、ボッチャン フォレストトナー(2200円)、ボッチャン フラワーモイスチャライザー(2530円)、ボッチャン スキンパーフェクター マット(2530円)、ボッチャン コロンスティック(2530円)、ボッチャン ハニーリップバーム(1430円)
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 新型コロナの影響で、BOTCHAN公式ECサイトの売り上げは約3倍に増えたという(19年と20年を比較)。異業種からも注目を集めている。21年2月にはワールドグループのエクスプローラーズトーキョー(東京・港)が展開するメンズブランド「tk.TAKEO KIKUCHI(ティーケー タケオキクチ)」とのコラボレーションが実現。タウン着としても着られるパジャマセットやガウンなどを発売した。蔦屋書店(東京・渋谷)の6店舗でポップアップイベントを開催したこともある。BOTCHANの商品と一緒に、「自分探し」をテーマにした書籍を販売した。

メンズコスメが女性の心もつかんだ理由

 BOTCHANのコンセプトは、「『男らしく』を脱け出そう。」だ。「男性らしく」「女性らしく」という型にはまらず、ニュートラルな感覚で自分の個性に合ったおしゃれを模索する。

 ターゲットは「繊細男子」。STUBBINS(スタビンズ、東京・千代田)の代表であり、BOTCHANのブランディングディレクターを務める福岡英一氏は、「繊細男子のイメージは、女性用の香水を着こなしているような男性」と話す。