キッチンに飾ってもらえるような容器を目指した味の素

味の素のLoop商品は、「ほんだし」「コンソメ」「丸鶏がらスープ」という3種類の顆粒調味料。細長いスタイリッシュなガラス瓶の容器を採用
味の素のLoop商品は、「ほんだし」「コンソメ」「丸鶏がらスープ」という3種類の顆粒調味料。細長いスタイリッシュなガラス瓶の容器を採用
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 味の素がLoopで販売するのは和風の「ほんだし」、洋風の「コンソメ」、中華の「丸鶏がらスープ」という3種類の顆粒調味料だ。どの商品をLoopで販売するかという議論を重ね、最終的に同社の主力商品を選んだ。その理由は、需要が高く、回転しやすい商品のほうが、成果やオペレーションの検証をしやすいと考えたからだ。

 Loop商品は、Loopが回収、洗浄し、ブランドパートナーに戻ってきた容器に中身を詰め直す工程があるため、容器の在庫管理などの新たなオペレーションが必要となる。味の素では、スタート時には既存設備を活用し、大きな設備投資をすることなく、Loop商品を生産できるよう工夫している。価格は、通常商品よりも少し高くなる予定だという。

 3種類の調味料の新容器はガラス製。当初は、よりデザイン性を高めることができると考えてステンレス製容器も検討したが、細長い、スタイリッシュなガラス瓶に決定した。ガラスの容器に直接塗装を施すことで、通常商品に使っているプラスチック製シュリンクフィルムの使用を削減。キャップも既存商品のプラスチック製からスチール製に変更している。

 「使った後に戻していただければ、自宅では廃棄物が一切出ないプラスチックフリーな容器。調味料はキッチンの奥にしまわれることが多いが、3つセットでキッチンに飾ってもらえるような、スタイリッシュな容器を目指した」(味の素の食品事業本部 生活者解析・事業創造部 新事業グループマネージャー 武内祥平氏)

 味の素は、17年度に「ほんだし」のスティック商品の一部を紙容器に変更し、プラスチック使用量を年間11トン削減。また、グループ会社の「ブレンディ」の容器をコンパクトにして、年間25トンのプラスチック使用量を削減した。30年度までにプラスチック廃棄物をゼロにすることを目標に掲げている。

 これまでプラスチック使用量の削減とリサイクルに力を入れてきたが、今回のLoopへの参加によってリユースも推進する。生分解性のプラスチックの使用など、さまざまな方法と組み合わせることで廃棄プラスチックゼロ実現を目指している。

 「使い捨てない容器を通じて、新たな消費者と新たな接点を持てるのもLoopの魅力。商品を売って終わりだったビジネスモデルからの転換にも価値がある」(武内氏)

 Loop商品が、従来のエコを売りにした商品と大きく異なるのは、消費者が無理なく自然に選択できる点にある。中身は各業界トップクラスのメーカーによるものであり、品質で妥協する必要はない。課題は認知度をいかに高めるかだろう。店頭だけのPRでは、なかなかユーザーが拡大しない恐れがある。SDGsや環境問題に関心が高い層だけでなく、広く一般消費者にどうアプローチし、巻き込んでいくか──。SNSなども駆使した多層的なコミュニケーション戦略が必要だろう。

●ブランドパートナーがLoop用に開発中のパッケージ例

アース製薬
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エステー
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キッコーマン
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キヤノン
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ネイチャーズウェイ
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フィッツコーポレーション
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P&Gジャパン
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P&Gジャパン
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(この記事は、日経クロストレンドで3月1日に配信した記事を基に構成しました)

※この記事を含む特集「SDGs 2021」は日経クロストレンドに掲載されています。

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