エコよりも容器の利便性やデザイン性が魅力

 日本におけるLoop開始時にブランドパートナーとして参加する企業は24社。21年春以降としているサービス開始に合わせて商品を販売するのはその半数ほど。容器を含む商品開発や販売価格の決定は各メーカーに委ねている。販売価格は、通常商品と同程度か、若干高くなるものもあるという。

●公表済みのブランドパートナー(16社)
(五十音順)

  • アース製薬
  • 味の素
  • 江崎グリコ
  • エステー
  • NS ファーファ・ジャパン
  • 大塚製薬
  • キッコーマン
  • キヤノン
  • キリンビール
  • 資生堂
  • ネイチャーズウェイ
  • フィッツコーポレーション
  • P&Gジャパン
  • ユニ・チャーム
  • luv waves of materials
  • ロッテ

 Loop商品で注目したいのは、各ブランドパートナーが採用する容器だ。米国のLoopに関する調査によると、消費者がLoop商品を購入する理由で一番多かったのは「利便性」で、次が「デザイン性」、3位が「家のごみが減った」だ。つまり、環境負荷の低減よりも、容器のデザイン性に魅力を感じて購買した消費者が多いことが分かる。

 Loopは、容器開発におけるブランドパートナーへのコンサルティングも行う。Loopの容器に関するガイドラインには、3つの指標がある。洗浄しやすさを意味する「洗浄性」と、最低10回以上は使える「耐久性」。そして「LCA(ライフサイクルアセスメント)による環境影響評価」だ。使用できる素材は決まっており、ガラスやステンレス。プラスチックのうち、リサイクルしても劣化が少ないABS樹脂なら使用可能だ。

ユーザビリティーを重視したロッテのステンレス容器

左がロッテ「キシリトールガム」の通常商品。右がLoop用に開発中のステンレス容器を使用した商品。Loop商品の内容量は、通常商品の約1.5倍
左がロッテ「キシリトールガム」の通常商品。右がLoop用に開発中のステンレス容器を使用した商品。Loop商品の内容量は、通常商品の約1.5倍
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 現在、Loopのブランドパートナー各社は、消費者にとって魅力的なLoop用の容器を鋭意開発中だ。ほぼ完成したものもある。

 例えばロッテは、看板商品である「キシリトールガム」をLoopで販売する。新たに開発中のLoop専用のキシリトールガムの容器は、耐久性があり繰り返し使えるステンレス製。スタイリッシュでシックな印象に仕上がっている。

 表面はマットなサテン仕上げとし、レーザー加工によって商品名などを印字した。印刷では繰り返し使用し、洗浄するうちに傷ついたり剥がれたりするため、レーザー加工を採用したという。手になじみやすく、持ったときにしっくりくる容器は、洗浄性と使いやすさに配慮した大きな開口部を持つ。本体開口部の周りに使い捨てのパッキンを使うことで、蓋と本体の程よいフィット感を実現している。目指したのは、蓋をワンタッチで開けられる使い勝手のよさだという。

 新容器の開発に当たっては、すでに海外のLoopで使用されている容器を使う選択肢や、市販の容器を使う選択肢もあった。しかし、他国のLoopで実績がある容器はスクリューキャップのもの。それでは、ワンタッチで蓋が開く通常商品よりも、ユーザービリティーで劣る。一方、包装容器メーカーが提供している市販容器では、洗浄性や耐久性というLoopの基準を満たすのが難しかった。優れた使い勝手を保ちながら、Loopが求める基準を満たすには、新容器を開発するしかないと判断した。

Loop商品の容器は、開口部の周りにシリコーンゴム製のパッキンを使うことで、蓋と本体の程よいフィット感を実現している
Loop商品の容器は、開口部の周りにシリコーンゴム製のパッキンを使うことで、蓋と本体の程よいフィット感を実現している
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 Loopで販売するキシリトールガムの容量は、通常商品の1.5倍ほどとした。通常商品よりも小さいと商品力に乏しくなり、大きくすれば重くなって、持ち帰りにくくなる。

 「最終的に決めたのは、通常商品よりもちょっと大きいサイズ。販売価格は、通常商品よりもあまりにも高いと手に取ってもらいにくくなる。価格は未定ながら、通常商品とほぼ同等を目指している」(ロッテのマーケティング部 情報クリエイティブ担当 パッケージ企画課 藤原普夫氏)

 ロッテはこれまでも、脱プラスチックに力を入れてきた。キシリトールガムのボトルは発売からこれまでに金型を2回変更し、プラスチック容器の肉薄化を進めてきた。現在販売するキシリトールガムの容器は、初代と比べると10%近くプラスチック使用量を減らしている。21年の春には、さらにプラスチック使用量を削減した新容器をリリースした。Loopへの参加は、脱プラスチックを実現する手段の一つに位置付けている。

 「ユーザーの生活に溶け込むようなスタイリッシュな容器。単純にかっこいいと思ってもらい、手に取ってもらうことをきっかけに、環境への取り組みに興味を持ってもらいたい」(ロッテの経営戦略本部 CSR部 飯田智晴氏)

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