2022年ESGブランド指数の上位企業や躍進する企業に共通しているのは、ESG戦略が明確で、活動に一貫したストーリーがあることだ。ここでは、ESG視点での社内改革と情報発信に取り組んだ結果、社会とガバナンスのイメージスコアが急上昇したパナソニックの取り組みを見ていく。

 昨年の総合13位から3位へとV字回復を成し遂げたのがパナソニックだ。環境のイメージスコアが昨年の13位から7位、社会が44位から6位、ガバナンスが42位から2位、インテグリティが7位から6位にそれぞれ順位を上げた。躍進の原動力となったのは40位も順位を上げたガバナンス。楠見雄規グループCEOが進める様々な経営改革は今のところ好意的に受け止められているようだ。

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 同社は今年1月、初めてサステナビリティ経営説明会を開催、地球環境問題の解決と、健康で幸せな人生を支える「くらし」と「しごと」のウェルビーイングを柱に取り組むことを表明した。また4月のグループ戦略説明会では、50年までにグループの事業活動を通じて、現時点の全世界のCO2総排出量の約1%に当たる3億t以上の削減インパクトを目指すと宣言した。

 CO2削減に向けた取り組みの中で注目されるのが、燃料電池と太陽電池、蓄電池の3つを連携させた自家発電システムだ。事業活動で消費するエネルギーを100%再エネで賄うことを目指すRE100企業向けのソリューションとして開発を進めている。工場の屋上などに設置した太陽光発電と、液化水素を燃料とする燃料電池によって工場の使用電力を賄い、電力の余剰や不足が発生した際には蓄電池で調整する。今年4月にはパナソニック エレクトリックワークス社の滋賀県草津市の工場敷地内に実証施設「H2 KIBOU FIELD」が稼働、早期の事業化を目指す。

滋賀県草津市のパナソニック エレクトリックワークス社の工場敷地内に設置した実証施設「H2 KIBOU FIELD」 (写真:パナソニック ホールディングス)
滋賀県草津市のパナソニック エレクトリックワークス社の工場敷地内に設置した実証施設「H2 KIBOU FIELD」 (写真:パナソニック ホールディングス)

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