第2回ESGブランド調査の結果は、昨年に続きトヨタ自動車が1位を堅守した。2位は各項目でバランスよく高い評価を得たサントリーだった。一方で、3位のスターバックス コーヒー ジャパンをはじめ、ソニーやコカ・コーラなど昨年から大きく順位を上げた企業も目立つ。

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 この調査では、「環境」「社会」「ガバナンス」「インテグリティ(誠実さ)」の4分野で、「気候変動の対応に努めている」や「経営トップがガバナンスに対する高い意識を持っている」など合計68の項目を設定し、各社(各ブランド)のイメージを聞いた。インテグリティでは、ESGに分類できない良い会社のイメージとして、「将来世代のことを考えて経営している」などの項目を設定した。

環境、ガバナンスでトヨタ

 2020年に続き、今回もトヨタブランドの強さが際立った。総合順位を示すESG指数で1位になっただけでなく、指数が100を超えたのはトヨタのみだった。分野別では、社会のイメージスコアでは2位になったものの、環境、ガバナンス、インテグリティで1位になった。環境分野は、ESGブランド調査の前身である環境ブランド調査のときから昨年まで、サントリーが4年連続で1位を獲得してきたが、今年はトヨタがわずかの差でかわした。

 特に強かったのは環境とガバナンスだ。環境では「省エネに努めている」「有害物質の削減に努めている」「従業員の環境教育に力を入れている」など、全12項目中5項目で1位になった。特に省エネに関しては、企業の環境活動を評価する際に重視する項目として回答者の62.9%が「省エネに努めている」を選んでおり、最も関心の高いテーマになっている。

 ガバナンスに至っては、「経営トップがガバナンスに対する高い意識を持っている」「企業活動の情報開示がしっかりしていて説明責任を果たしている」など、全12項目中10項目で1位を獲得した。

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 トヨタに対しては、119件の回答者の自由意見が寄せられている。その中で最も多いのは、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)などエコカーに関するものだ。次いで多いのは「Woven City(ウーブン・シティ)」。トヨタが今年2月、静岡県裾野市で建設に着手した、あらゆるモノやサービスがつながるコネクティッド・シティーの実証都市だ。

 目を引くのは、2015年10月に発表した長期環境目標の「トヨタ環境チャレンジ2050」についてのコメントが3件あったことだ。発表から6年もたっているにもかかわらず昨年よりも増えているのは、情報開示の地道な努力が実を結んでいるのではないだろうか。

 トヨタへのコメントには、「トップのガバナンス意識が高い」や「社長が前面に出ている」などトップに言及するものが多いことも特徴として挙げられる。豊田章男社長が折に触れて自らの言葉で説明することが消費者の信頼につながっている。

【調査の概要】

 560の企業ブランドを対象に、一般の消費者やビジネスパーソンがESGの視点からどんなイメージを持っているかを聞くインターネット調査を実施し、結果を集計・分析した。調査時期は2021年5月27日~6月30日で、約2万1000人から回答を得た。

 「ESGブランド指数」は、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)、インテグリティの4つのイメージスコアを総合したもので、偏差値(平均50、標準偏差10での標準化)で表している。

 4つのイメージスコアは、環境、社会、ガバナンス、インテグリティそれぞれに関する取り組みのプラスイメージ(9~12項目)とマイナスイメージ(6~10項目)を尋ねて集計したもので、こちらも偏差値で表している(インテグリティはプラスイメージのみ)。

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