約2万1000人にESGの視点から企業のブランドイメージを聞く「ESGブランド調査」。3回目の調査から見えてきたのは、外的要因に対するガバナンスの感度の高さだ。トップ3に入ったパナソニック、順位を落とした飲料大手で明暗が分かれた。ESGでブランドを高めるには年月がかかるが、スキャンダルは一瞬でそれを崩す。

 約2万1000人の消費者やビジネスパーソンにESGの視点から企業のブランドイメージを聞く「ESGブランド調査」。第3回の結果は、総合(ESGブランド指数)1位がトヨタ自動車、2位がスターバックス コーヒー ジャパン(以下、スターバックス)、3位がパナソニックだった。

 総合スコアのESGブランド指数は、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)、インテグリティ(I)の4つのイメージスコアを基に算出する。トヨタのESGブランド指数は101.9と、560企業ブランドの中で唯一100点超となり、強さは健在と言える。ただし、2020年に117.9、21年に110.2を記録したことからすれば徐々にスコアを落としている。

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 不安要素を挙げるとすれば、社会イメージスコアが88.0と昨年より7.2ポイント下がったことだろう。順位も昨年の2位から4位に後退した。環境のスコア109.8、ガバナンスの98.6に比べて明らかに社会が足を引っ張っている。

 昨年から今年にかけて2件のパワハラ訴訟が決着(和解が成立)し、その経過が大きく報道されたことが影響した可能性がある。トヨタは今年1月、「労務問題の再発防止に向けた取り組みについて」と題したリリースを公表。社員が安心して働ける、風通しの良い職場風土づくりに努めると表明した。

【調査の概要】

 560の企業ブランドを対象に、一般の消費者やビジネスパーソンがESGの視点からどんなイメージを持っているかを聞くインターネット調査を実施し、結果を集計・分析した。調査時期は2022年5月26日~6月30日で、約2万1000人から回答を得た。

 「ESGブランド指数」は、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)、インテグリティの4つのイメージスコアを総合したもので、偏差値(平均50、標準偏差10での標準化)で表している。

 4つのイメージスコアは、環境、社会、ガバナンス、インテグリティそれぞれに関する取り組みのプラスイメージ(10~12項目)とマイナスイメージ(6~10項目)を尋ねて集計したもので、こちらも偏差値で表している(インテグリティはプラスイメージのみ)。

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