競合する日用品メーカー大手のユニリーバと花王が、プラスチックのリサイクルで手を組んだ。回収した容器から新しい容器を製造する水平リサイクルでは、飲料のペットボトルが先行する。これらをモデルに日用品の容器でもサーキュラーエコノミー(循環経済)への移行を加速させる。

ユニリーバ・ジャパンと花王は、東京都東大和市内の10カ所に回収ボックスを設置し、使用済みプラスチック容器を集める。回収した容器は、リサイクル事業者のヴェオリア・ジェネッツが分別・洗浄・処理し、リサイクル技術を検証する(写真:ユニリーバ・ジャパン、花王)
ユニリーバ・ジャパンと花王は、東京都東大和市内の10カ所に回収ボックスを設置し、使用済みプラスチック容器を集める。回収した容器は、リサイクル事業者のヴェオリア・ジェネッツが分別・洗浄・処理し、リサイクル技術を検証する(写真:ユニリーバ・ジャパン、花王)

 今年6月、ユニリーバ・ジャパンと花王が協働し、使用済みプラスチック容器の回収を始めた。東京都東大和市内の10カ所に回収ボックスを設置し、シャンプーやボディーソープといった日用品の使用済み容器を集める。回収した容器を新品の容器にリサイクルする「水平リサイクル(容器から容器へのリサイクル)」の実現を目指す。

2023年に容器に再生

 競合同士が手を組む背景には、プラスチックごみ問題に対する関心の高まりがある。使い捨てのプラスチック容器を大量に使うメーカーは、レピュテーション(評判)リスクや規制リスクを抱えており、対策の強化が急務になっている。

 ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスアシスタントコミュニケーションマネジャーの新名司氏は、「『競争』と『共創』の領域をしっかり線引きし、『共創』の領域では密に連携しながら進めている」と言う。

 花王は昨年5月に設立したリサイクル科学研究センターが中心となり、社外との連携を本格化している。今回のプロジェクトは、海洋プラスチック問題の解決を目指す企業連合「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」の中で積極的に発信し、広く参加を呼び掛ける。同センターの南部博美センター長は、「他のメーカーが加わる可能性もある」と話す。

 ユニリーバと花王は共に、中長期目標を掲げてプラスチックごみの削減に取り組んでいる。

 ユニリーバは、サステナビリティの長期行動計画「サステナブル・リビング・プラン」で、2025年までにプラスチック包装容器を100%リユース可能、リサイクル可能、堆肥化可能にし、使用するプラスチックの25%を再生プラスチックにする目標を設定している。

 同社が販売する量より多くのプラスチック容器を回収・リサイクルすることも目指す。昨年11月から、プラスチック容器の回収に協力してくれた消費者に、「LINE」などで使えるポイントを還元する「UMILE(ユーマイル)」プログラムを実施中だ。プログラムへの参加者は約2万人に達した(6月3日時点)。

 一方の花王は、19年4月に公表したESG戦略「キレイライフスタイルプラン」にプラごみ削減目標を盛り込んでいる。例えば、25年までに100%リユース可能、リサイクル可能な包装容器にし、再生プラスチックの使用量を5倍に増やすことを目指す。4月には、衣料用洗剤「アタック ZERO(ゼロ)」の容器に100%再生プラスチックを採用して話題を呼んだ。

 今回の協働プロジェクトでは、日用品の使用済み容器を分別・回収する仕組みを検討するとともに、リサイクル技術の検証を進める。南部センター長は、「23年までに水平リサイクルの容器を一部の商品で採用する」と言う。

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