世界的にグリーンボンド(環境債)に対する投資意欲が高まり、普通債より利回り(1年当たりの利益)が低くなる「グリーニアム」という現象が起こっている。企業にとって資金調達の好機が来た。

昨年12月に岩手県で運転を開始したJパワー(電源開発)のくずまき第二風力発電所。グリーンボンドで調達した資金を設備投資に充てる(写真:Jパワー)
昨年12月に岩手県で運転を開始したJパワー(電源開発)のくずまき第二風力発電所。グリーンボンドで調達した資金を設備投資に充てる(写真:Jパワー)

 環境分野の資金需要の高まりを受け、グリーンボンドを発行する企業が増えている。投資家の購入意欲も旺盛で、グリーンボンドの利回り(1年当たりの利益)が普通債より低くなる「グリーニアム」という現象が起こっている。

 グリーニアムは「グリーン」と「プレミアム」を合わせた造語である。グリーンボンドの価値が普通債に比べて高いとみて、グリーンボンドの低い利回りを投資家が受け入れている状態だ。債券の発行体である企業は、低コストで資金を調達できる好機と言える。

欧州で顕在化、日本に兆候

 グリーニアム現象は、グリーンボンドの発行が進む欧州で顕在化している。ドイツ政府は2020年9月に10年物のグリーンボンドを発行した。65億ユーロの発行に対して200近い投資家から330億ユーロの応募が殺到した。その結果、グリーンボンドの利回りが、同じ償還年数のドイツ国債より0.01%低くなった。これがグリーニアムである。今年4月にはこの差が0.05%に広がっている。

 英国の非政府組織である気候債券イニシアチブ(CBI)が3月11日に公表した調査結果によると、20年下期に世界で発行された33のグリーンボンドのうち、26でグリーニアムが確認されたという。社債では独フォルクスワーゲンや米メットライフなどのグリーンボンドを挙げている。

 このグリーニアム現象、日本でも発生しているのか。債券市場に詳しい大和証券金融市場調査部の尾谷俊シニア・ストラテジストは、「ドイツのように明確に比較できる事例はない」としながらも、「日本でもグリーンボンドを選好する投資家は増えており、グリーニアムの兆候が見られるケースが出てきている」と話す。

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