年金のESG投資:コード改訂が企業年金呼び込む

 アンケートに回答した投資家の見方では、コロナ後はESGが運用でより重視される。

 世界最大の機関投資家である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を筆頭に、公務員や教職員年金といった公的年金がESG投資の対象を拡大する中、この動きが広がるか。さらには企業年金にも波及するかについて聞いた。

 「間違いなく広がると思う」と答えたのは、BNPパリバ証券の中空氏だ。「新型コロナ問題はESG投資の一つのフィールドとして捉えることもできる。低金利の中で他に投資するものが見当たらないという消去法的な理由のみならず、気候変動や働き方など多くの社会問題を解決する資金の流し方は、長期投資に非常に見合った考え方だということがさらに根付く」(同氏)。

 フィデリティ投信の三瓶氏は、20年3月に公表されたスチュワードシップ・コードの再改訂版が、企業年金にESG投資が広がる契機になるとみる。再改訂版は、企業年金のスチュワードシップ活動を後押しすべく、規模や能力などに応じて活動することなどを盛り込んだ。投資先企業とのエンゲージメントなどを負担に感じていた企業年金にとって、ESGを考慮したスチュワードシップ活動に取り組みやすくなる。

 「今回の再改訂の1つの目玉は、企業年金の受け入れを増やすために、(企業年金)自身がスチュワードシップ活動を直接行わなくても委託先運用機関が励行しているのをモニターすればコンプライ(順守)になることを明確にした点だ。これによって、コードを受け入れる企業年金が徐々に増えることが期待され、各年金でESG投資枠を設ける動きが出てくると思われる」(三瓶氏)。

 その他の投資家も、企業年金にESG投資が広がるという見方はほぼ一致している。運用資産が国内で100兆円近いとされる企業年金にESG投資が本格的に普及すれば、企業のESGの取り組みにさらに注目が集まり、その中身やインパクトの大きさがより厳しく問われることになるだろう。

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