パソコン世界大手、レノボ・グループがダイバーシティの取り組みを強化している。2018年に、ジェンダー(性別)や人種的・民族的マイノリティ(少数派)のダイバーシティに関する20年までの数値目標を設定し、「ダイバーシティ&インクルージョンレポート」の発行を始めた。

 中国・北京と米国ノースカロライナ州に機能上の本社を構え、様々な事業を買収して成長してきた同社では、多様な人材が活躍できる組織づくりが重要課題になっている。昨年、世界での女性役員の割合が21%、米国での人種的・民族的マイノリティの役員の割合が29%に達し、それぞれ20%、28%としていた目標を達成した。

 レノボ・グループはダイバーシティを推進するために、どのような取り組みをしているのか。2007年から14年間にわたってチーフ・ダイバーシティ・オフィサー(CDO)を務めた前任者の後を継ぎ、今年1月にCDOに就任したカルビン・クロスリン氏に聞いた。

<span class="fontBold">カルビン・クロスリン氏</span><br> レノボ・グループ CDO(チーフ・ダイバーシティ・オフィサー)。データ・センター事業(DCG)の人事トップとして、グローバルでのDCGのHR(人的資源)戦略を先導。テック業界で30年以上に及ぶ人事の経験を持つ。STEM(科学・技術・工学・数学)教育の普及と、行政サービスが十分に与えられていない多様なコミュニティを援助するためにレノボが設立した慈善財団Lenovo Foundation(レノボ・ファウンデーション)のプレジデントも務める(写真:レノボ・ジャパン)
カルビン・クロスリン氏
レノボ・グループ CDO(チーフ・ダイバーシティ・オフィサー)。データ・センター事業(DCG)の人事トップとして、グローバルでのDCGのHR(人的資源)戦略を先導。テック業界で30年以上に及ぶ人事の経験を持つ。STEM(科学・技術・工学・数学)教育の普及と、行政サービスが十分に与えられていない多様なコミュニティを援助するためにレノボが設立した慈善財団Lenovo Foundation(レノボ・ファウンデーション)のプレジデントも務める(写真:レノボ・ジャパン)

レノボ・グループはなぜダイバーシティを重視しているのですか。経営にどのような影響があると考えていますか。

クロスリン:大きく3つの要素があります。1つ目は、事業のパフォーマンス向上です。ある研究結果では、企業のダイバーシティが増すと市場シェアが45%拡大することが示されています。

 2つ目として、ダイバーシティはブランドの評判を高めることにつながります。特に、ミレニアル世代に代表される若年層の54%は、企業はダイバーシティを含めた社会課題にしっかり対応していかなければならないと考えています。

 3つ目は、人材の獲得です。新卒の若い人たちは自分の考えに合う企業に入る傾向が強まっています。ダイバーシティは、優秀な人材の獲得や離職の防止にも重要です。

次ページ 孤独な環境での対応を指導