ユニ・チャームは一般社員の評価にESGを導入した。仕事と社会貢献の結び付きを実感できるようにし、挑戦意欲を引き出す。
「世の中への貢献を実感できるようになることで、より高い目標にチャレンジしてくれるのではないか。その結果、社員の成長を促す機会になる」。ユニ・チャームグローバル人事総務本部人事部長兼いきいき健康推進室長の渡辺幸成理事は、新たな人事評価制度の狙いをこう話す。
同社は2023年1月、一般社員の評価指標にESGの項目を取り入れた。背景には、「日々の業務がどの程度、社会に貢献できているのか知りたい」といった声が社員から多く寄せられていたことがある。

10~25%をESGで評価
新制度では、社員が期初に設定する目標に必ずESGに関連するものを入れる。例えば、営業部門の場合は、担当店での環境配慮型商品の取り扱いを増やす、返品を削減して廃棄ロスを減らすといった取り組みを数値目標とともに掲げる。取り組みの難度や達成度合いなどを総合的に判断して評価し、賞与で還元する。評価に占める割合は資格や役職によって10~25%になる。
社員の評価をESGの取り組みと連動させる人事制度は、花王が21年1月に導入している。社員への調査では挑戦に対する意識が高まった社員が9割を超えるなど、手応えをつかみ始めている。今後、他社が追随する可能性もある。
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