日本ミシュランタイヤ(東京都新宿区)は昨年12月、厳選した飲食店や宿泊施設を紹介する「ミシュランガイド東京 2021」を発売した。持続可能なモビリティを推進する仏ミシュラングループは、タイヤの原料をバイオマス(生物資源)素材や再生材に切り替えたり、使用済みタイヤをリサイクルしたりしている。

 ミシュランガイドでは創刊120周年を迎えた昨年から、持続可能なガストロノミー(美食)を実践する飲食店を「ミシュラン グリーンスター」として紹介している。ミシュランガイド東京2021に掲載された飲食店446軒のうち、ミシュラン グリーンスターの評価を受けた店舗は6軒。食品ロスの削減や環境に配慮する生産者の支援などに積極的に取り組んでいるという。

 新たに食のサステナビリティ(持続可能性)に焦点を当てた狙いは何か。ミシュランガイドの総責任者を務めるミシュランガイド・インターナショナル・ディレクターのグウェンダル・プレネック氏に聞いた。

<span class="fontBold">グウェンダル・プレネック氏</span>:ミシュランガイド・インターナショナル・ディレクター。1979年パリ生まれ。2003年にミシュラングループ入社。ミシュランガイド事務総長などを経て18年から現職(写真:日本ミシュランタイヤ)
グウェンダル・プレネック氏:ミシュランガイド・インターナショナル・ディレクター。1979年パリ生まれ。2003年にミシュラングループ入社。ミシュランガイド事務総長などを経て18年から現職(写真:日本ミシュランタイヤ)

ミシュラン グリーンスターの評価を始めたのはなぜか。

プレネック:サステナビリティはミシュランの価値観や文化の一部だ。サステナビリティに対する社会の関心はますます強くなっており、コロナ禍以降は顕著になっている。

 レストランの顧客は持続可能な消費を目指すようになっているし、多くのシェフもサステナビリティに挑戦するようになりつつある。グリーンスターによってガストロノミーは、サステナビリティと食を結び付ける重要なメッセージを提供するツールになるのではないかと考えた。

 科学的な評価をするラベルではないが、レストランを利用する人にとってどの店が本当に誠実かつ野心的にサステナビリティにコミットしているかを知るきっかけになる。

シェフをインフルエンサーに

食料の生産には多くのエネルギーや水を使い環境に大きな負荷を与えている。資源の枯渇も懸念される。

プレネック:食のサステナビリティは特に重要だ。人が日々口にする物をサステナビリティと結び付けることで生活に大きな影響を与えられる。

 一方でシェフは一般の人に大きな影響を与えられるインフルエンサーだと考えている。シェフたちがサステナビリティを推進することで、一般の人の食生活の在り方を変えていきたい。

 グリーンスターは昨年1月にフランスで始まってから現在13カ国に広がった。世界で合計144個のグリーンスターが付いている。しかし、実際はもっと多くのレストランがグリーンスターとして評価される価値があると思っている。私たちの夢はミシュランガイドに載っている全てのレストランにグリーンスターが付くことだ。

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