調査員はサステナビリティの取り組みをどのように評価しているのか。

プレネック:調査員たちが現場で実際に食事をするなかで、シェフがどういったサステナビリティのアプローチを取っているかを評価する。使っている食器や食品の調達、メニュー、使用している電力、リサイクルの取り組みなどを見る。素材を全部使い切っているかといった非常に細かいところまで観察し、シェフともいろいろ話をしている。

 ただし、サステナビリティの取り組みは日々進化している。シェフは、プラスチックを使わないようにする、あるいは食品ロスを減らすためにはどうしたらいいかを考えながら奮闘している。そうした進化に注意を向けることが重要だ。調査員の食のサステナビリティに関する専門知識や考え方を常に更新していく必要がある。

 レストランは都市や郊外などいろんな所にあり、サステナビリティのアプローチは必ずしも同じではない。オープンマインドな姿勢でレストランを適切に評価し、光を当てていくことが大切だ。

トレンドの発信地、日本に期待

東京でグリーンスターを付与された店舗は6軒とまだ少ない。

「ミシュランガイド東京 2021」では6軒の飲食店がミシュラン グリーンスターに選ばれた。東京の他に日本でグリーンスターに選ばれている飲食店は、ミシュランガイドが発売されている京都に5軒、大阪に2軒、岡山に8軒ある(C)MICHELIN
「ミシュランガイド東京 2021」では6軒の飲食店がミシュラン グリーンスターに選ばれた。東京の他に日本でグリーンスターに選ばれている飲食店は、ミシュランガイドが発売されている京都に5軒、大阪に2軒、岡山に8軒ある(C)MICHELIN

プレネック:今回は6軒だったが、サステナビリティの実現に向けて努力している店舗は20店以上ある。グリーンスターとして評価されるためには、包括的なアプローチが必要だ。調達源への配慮だけ、食品ロスの削減だけ、エネルギーの節約だけでなく、全ての面でサステナビリティを追求し、一貫したプロセスで運営する仕組みが欠かせない。

 シェフだけでなくスタッフ一丸で取り組むこと。さらには、レストランで食事をする顧客がそこでの体験から何かを学び、自らの行動に反映させられるような機会を与えてくれるかも重要になる。

東京はミシュランガイドで星の数が世界で最も多い都市だが、グリーンスターについてはどうか。

プレネック:現在、グリーンスターが最も多いのはフランスだが、東京には素晴らしいレストランが集まっている。日本は食のトレンドの発信地であり、食のサステナビリティでも前線を走ってもらいたい。日本人のシェフは海外でも腕を振るっている。そうしたところからグリーンスターの影響が広がっていけばいい。

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