知識偏重型の大学教育と決別するかのような取り組みにまい進している大学がある。仏教系で、かつては女子大だった武蔵野大学だ。同大学は2021年4月、「アントレプレナーシップ学部(EMC=Entrepreneurship Musashino Campus)」を開設する予定(設置構想中)だ。目指すのは、「起業家精神の育成」と「幸せの追求」。西本照真学長は、「これからの時代、国内では少子高齢化、世界的に見れば人口爆発や地球環境の問題など、若者は大きな困難に直面していく。マインドを変え、スキルを身に付け、自ら人生を切り開けるようになってほしい。そのために、大学改革を進めていく」と語る。

アントレプレナーシップ学部は、これまでの大学教育の在り方とは一線を画する。ヤフーの企業内大学であるYahoo!アカデミア学長の伊藤羊一氏が学部長に就任。伊藤氏の人脈を通じて教員を集めた。学部に所属する30人の教員にはアカデミズム出身者は西本学長を除いて1人もおらず、スタートアップの起業家やNPO(非営利組織)の創業者など、ビジネスや社会で活躍している現役の実務家ばかりだ。1年次は約60人全員がキャンパス内の寮で生活を共にし、卒業までに全員がスタートアップやNPOなどを個人、もしくはチームで起こすことを目指す。
仏教系大学の学長と、ビジネス界を歩んできたYahoo!アカデミア学長という異色のコンビが手を組み、どのように大学を変えようとしているのか。

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