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インダストリー羅針盤

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日本電産、工作機械メーカー連続買収の深謀 ファナック切り崩し
日本電産がまたもやってのけた。8月、三菱重工系の工作機械子会社を買収したのに続き、中堅工作機械メーカーのOKKの子会社化を発表した。金属を削って部品に加工する「マザーマシン」のラインアップを豊富にそろえ、モーター以外にも…
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「地べたではGAFAに負けない」 クボタ北尾社長の語る決意
水道と農機を両輪にして発展し、2020年には創業130周年を迎えたクボタ。その節目の年にクボタのトップに就いた北尾裕一社長は自社の目指す姿について、水や環境、食料にまつわる社会課題の解決を提案するプラットフォーマーだとし…
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長澤まさみに託す思い 芽生え始めた「ワンクボタ」
四半世紀ぶりにグループのテレビCMに著名人を起用したクボタ。主人公の長澤まさみさんに託したのは、知名度やブランド力の向上だ。それは、農業版CASEに挑戦していく上で、決定的に足りていないものを手に入れるための布石でもある…
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営業も開発も土まみれ クボタ流密着マークが飯の種
投資家からも支持されるクボタのスマート農業だが、農家にとことん寄り添う企業風土が推進力の源泉だ。営業担当者はもちろん、開発部隊も農家の水田や畑で実証実験を重ねて、ニーズに応える製品を生み出す。今年からスタートした農機のシ…
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コマツをしのぐ稼ぐ力 クボタがCASEにかける日本農業の復活
海外戦略の成功で急成長を遂げ、売上高2兆円を確実にしたクボタだが、その陰で国内の農機事業は頭打ちの状態が続く。スマート農業で狙うのは成熟した国内市場における再成長だ。農業に関するデータを幅広く集めるプラットフォームに、農…
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収穫と同時にコメの味が分かる、クボタが描くスマート農業
国内農機最大手のクボタがスマート農業に力を入れている。気象情報や農作業の記録、作物の収量や品質といったあらゆるデータを集めるプラットフォームを構築。自動運転させる農機もデータ端末としてシステムに組み込む。農業版CASEと…
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SUMCOの日台半導体ウエハー新工場 3300億円投資回収の皮算用
半導体ウエハー世界大手のSUMCOが国内外で3000億円を超える大規模投資に打って出る。半導体メーカーからの増産要請に安易に乗ったわけではない。主要顧客との粘り腰の交渉で値上げと長期の取引契約を勝ち取り、早期に投資回収で…
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SUMCO、台湾に1100億円新工場 TSMCなどに半導体ウエハー供給
半導体ウエハー世界大手のSUMCOが、台湾にシリコンウエハーの新工場を設けることが10日、分かった。投資額は1100億円程度とみられる。世界的な半導体不足が続く中、半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)…
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動き出す300億円建造計画 北極で気象変動の謎追う日の丸研究船
地球温暖化の影響を強く受ける北極。厚い氷に覆われた観測データ空白域の謎を解き明かそうと、国内初となる北極域研究船の建造計画が動き出した。ハイテク観測装置の塊となる研究船には気候変動の予測精度の向上に加え、産業界には「21…
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調達巧者ファナックに未曽有の試練 中国から矢の催促も生産に遅れ
世界的な半導体・部品不足が、「調達巧者」とされてきた産業用ロボットの巨人をも飲み込んだ。モノ不足があと半年は続くと判断し、ファナックは2022年3月期通期の連結業績予想を下方修正した。設計変更や代替部品の調達などで生産が…
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日本発ロボットが宇宙で快挙 時給500万円飛行士の省力化へ一歩
ロボットスタートアップのGITAI Japan(東京・大田)が、国際宇宙ステーション(ISS)で自律制御ロボットを使った汎用作業の実証実験に成功した。宇宙空間でのロボットによる汎用作業は世界初の快挙だ。宇宙開発は莫大な人…
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安川電機、キュウリとの格闘の先にあるロボットの未来
産業用ロボット大手の安川電機が農業分野への進出を本格化させている。目下取り組むのはキュウリ生産者向けロボットの開発だ。熟練の生産者の長年の勘に根ざした作業の自動化は容易ではない挑戦だが、主戦場の自動車工場や家電工場とは畑…
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日本製鉄が盟友トヨタに突きつけた「知財チャイナリスク」
日本製鉄が、電動車のモーターに使う電磁鋼板を巡り、トヨタ自動車、中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄が自社の特許を侵害しているとして訴えた。日鉄は1997年に世界初の量産ハイブリッド車(HV)「プリウス」をトヨタが発売して以来、電磁鋼…
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「教え子」中国・宝山鋼鉄が特許侵害? 日本製鉄提訴が示す聖域
日本製鉄が、電動車のモーターに使う「電磁鋼板」の特許を侵害したとして、トヨタ自動車と中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄を東京地裁に提訴した。宝山は日鉄の前身、旧新日本製鉄が1970年代末に製鉄所建設を支援した相手だ。巨大なライバルと…
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いいとこ取りは許さない TSMCが日本企業に求めるコミットメント
半導体受託製造(ファウンドリー)の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が14日、日本に量産工場を建設する方針を発表した。政府は数千億円の補助金を出す方向だが、恩恵を受ける顧客による後押しも期待されている。
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「いりこだし」から考える、鉄の城下町・呉再生のヒント
日本製鉄の瀬戸内製鉄所呉地区の高炉が9月末に休止した。2023年9月末までには呉地区全体が閉鎖となる。日鉄や協力会社で働く従業員が働く場を失い、地域経済へのダメージは計り知れない。シンボルの高炉の火が消えた鉄の企業城下町…
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ものづくりの黒子がタブー破り? 横河電機がバイオ素材に挑む意味
横河電機がバイオ技術を使った素材の自社生産に乗り出した。創立から100年超、顧客企業の生産設備の安定操業を支えてきた黒子が製造分野への新規参入という「タブー破り」をする意味は何か。
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脱炭素でコンビナート復権へ、ENEOS・三菱ケミカルが廃プラ油化
日本の高度経済成長を支えたものの、今は存在感が薄まるコンビナート。しかし、化学業界にとって逆風に思える脱炭素機運の高まりによって、商機になる可能性を秘める。カギを握るのが「動脈」と「静脈」の橋渡しだ。
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デルタ減産と中国変調、復活の日本製鉄を脅かすリスク
日本製鉄は2022年3月期の連結最終損益が3期ぶりの黒字となり、黒字額は3700億円と大幅回復する見通し。復活の原動力はトヨタ自動車向けをはじめとする鋼材の価格引き上げ。だが新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るい、東南…
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味の素、ギョーザだけじゃない 半導体材料でもう一つの「金メダル」
東京五輪・パラリンピックの選手村で世界中のアスリートに人気となった、味の素の冷凍ギョーザ。金メダル級の活躍はギョーザだけではない。ノートパソコンの頭脳であるMPU(超小型演算処理装置)の絶縁材に味の素の「うま味」が詰まっ…