シリーズ
インダストリー羅針盤

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三菱マテリアルが本格参入 EV用電池リサイクルで進む合従連衡
非鉄大手の三菱マテリアルが、電気自動車(EV)用蓄電池などに使うレアメタル(希少金属)のリサイクルに本格参入する。EVが普及する2030年前後に需要が急拡大するとみて、金属リサイクル業のエンビプロ・ホールディングス(HD…
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三菱航空機、開発凍結2年 ブラジルの翼の攻勢になすすべなし
三菱重工業傘下の三菱航空機(愛知県豊山町)が、国産旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の開発凍結を表明して約2年が経過した。三菱重工経営陣から開発再開の条件など明確な説明はなく、航空業界でも話題から遠ざかっている。ラ…
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都市鉱山、本命はEV レアメタル確保へ蓄電池のリサイクル加速
資源高などを受け、電気自動車(EV)用蓄電池に必要なレアメタル(希少金属)の調達環境が不安定になっている。天然資源に代わる都市鉱山として注目を浴びるのが、使用済みの蓄電池だ。非鉄・リサイクル各社ともEV普及期に入る203…
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化学大手に減益ドミノ スマホや家電の需要減、原料高との二重苦に
化学業界にインフレーションの荒波が押し寄せている。財閥系化学メーカー3社(住友化学、三井化学、三菱ケミカルグループ)の2022年4~9月期連結決算は、いずれも最終減益。通期業績予想の下方修正も相次いだ。原燃料価格の上昇が…
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クボタ、農機の脱炭素に本腰 世界3位死守へ840億円で新拠点
農機世界3位のクボタが堺市に840億円を投じた新拠点「グローバル技術研究所」を開いた。研究開発拠点を集約し、農機の電動化など脱炭素対応を加速させる狙いだ。欧州を中心に“脱ディーゼル”の機運が高まる中、脱炭素の遅れが世界3…
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EV充電が招く電力不足リスク、解消の手段もEV 新興が探る新事業
EVの普及を阻む大きな壁のひとつが充電ピーク時の電力逼迫とされる。これを防ごうと新たなビジネスの種が生まれている。EVを「蓄電池」として活用し、互いに電力を融通しあう。
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規制委“1強”、電力会社を翻弄 権力チェックの仕組み欠く原発行政
原子力規制委員会による審査の非効率さを訴える電力会社と、効率性をなおざりにして電力会社に安全対応を迫る規制委。どうすれば国民も含めたステークホルダー(利害関係者)が納得する原子力行政を実現できるのか。
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原子力規制委発足10年 進まぬ原発再稼働、電力会社に渦巻く不満
政府の原子力規制委員会による審査で原子力発電所の再稼働がなかなか進まない。翻弄されている電力会社の間には、規制委が「非効率」との不満が渦巻く。規制委発足から9月で10年がたった。原発行政の番人はどこへ向かうのか。
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ブリヂストンの脱「モノ売り」、市場がその成否を注視
中国・韓国メーカーの攻勢で成長が鈍化したブリヂストンが、2030年までの長期戦略を発表した。再成長の原動力と位置付けるのが、タイヤの遠隔監視や再利用などの「ソリューション事業」だ。同事業の売上高をほぼ倍増させる野心的な目…
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JFE、CO2削減へ電炉にカジ 脱炭素投資に「稼ぐ力」の課題
JFEスチールが脱炭素への羅針盤を示した。岡山県にある高炉1基を大型電炉に転換すると発表。二酸化炭素(CO2)の排出削減につながる「還元鉄」と呼ぶ電炉用製鉄原料を海外生産する計画も明らかにした。2030年度にCO2排出量…
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広がるEVの災害時活用、下水道インフラの早期復旧にも一役
電気自動車(EV)などの電動車両を災害復旧に活用する動きが広がっている。荏原実業と三菱自動車は来春にも、停電した下水道インフラに迅速に給電し、マンホールから水があふれ出す被害を低減する新システムを発売する。三菱自には、電…
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DMG森精機社長、「ものづくり」という言葉が嫌い 垂直統合こそ力
DMG森精機の森雅彦社長は、前身である旧・森精機製作所の2代目社長だった父から37歳でトップを引き継ぎ、当時の東証1部上場企業で史上最年少といわれた。ドイツの名門との経営統合を経て、工作機械の世界最大手の座に上り詰めた。…
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世界の人材争奪戦に勝つ DMG森精機、国内初任給を最大3割上げ
労働に十分な対価で報いない。長時間労働をまん延させる。賃金に不満があっても丁寧な仕事をする働き手の職人気質に乗じ、設備投資や生産革新に二の足を踏む――。労働生産性で海外に後れを取った日本の製造業。DMG森精機は、こうした…
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工作機械をiPhoneのように DMG森精機、デジタル革新で商機生む
DMG森精機の成長を支える原動力は、工作機械ビジネス全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)だ。販売単価の向上や顧客との接点の拡大に貢献している。約20年前に独自のソフトウエア開発に着手して以来、少しずつまいてきた…
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[新連載]DMG森精機の反「ものづくり」主義、日独融合で新境地
DMG森精機の前身、森精機製作所がドイツの名門メーカーと資本業務提携してから13年、工作機械を売って終わりの事業から脱皮した。戦略の根底にあるのは、森雅彦社長の「ものづくり」という言葉への反発心。機械とソフトウエアやサー…
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国産飼料、食料安保で注目も供給難 生協のパルシステムは利用拡大
ロシアによるウクライナ侵攻などで穀物価格が高騰する中、国産飼料に注目が集まっている。関東周辺の地域生協でつくるパルシステム生活協同組合連合会(東京・新宿)は、食材宅配サービスなどで扱う豚肉や卵の生産過程で、国産飼料の利用…
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FA機器の雄SMC、1兆円企業へカギはBCP 岩手に新拠点
工場自動化(FA)を支える空気圧縮器で世界最大手のSMCは、主要サプライヤーを集めた生産拠点を岩手県遠野市に新設する。SMCは災害リスクに加え、後継者問題や人材不足などの課題を抱える中小サプライヤーの現状に危機感を持つ。…
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セイコーが志す第2の創業 医療やインフラ… 社会課題の解決役に
顧客や社会の課題を解決する「ソリューションカンパニー」への転換を打ち出したセイコーホールディングス(HD)。時計、デバイス、IT(情報技術)サービスといった従来の事業の枠を超えて、技術や知見を結集しようと動き始めた。狙い…
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セイコー、脱・時計頼みへ 覚醒したIT子会社、合言葉は「自燃」
創業141年を迎えたセイコーホールディングス(HD)が脱「時計頼み」を急いでいる。目指すのは、顧客や社会の課題を解決するソリューションカンパニーだという。DX(デジタルトランスフォーメーション)を推し進め、第2の創業に挑…
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グーグルやマイクロソフトも重宝 しぶとく生きる日本製磁気テープ
かつて音楽用カセットテープやビデオテープに用いられていた磁気テープ。後発のハードディスクドライブ(HDD)などにすっかり駆逐されたかと思いきや、コンピューター用の記憶媒体として現在も顧客を獲得し、米グーグルや米マイクロソ…