デフレに慣れ切り、消費者も企業も値上げへの抵抗感が強い「貧しいニッポン」。アイス専業メーカーの赤城乳業(埼玉県深谷市)は主力商品「ガリガリ君」を値上げした際のおわび広告で話題をさらった。発売以来、子供が気軽に買える価格を維持するため全力を尽くす。低価格路線を貫く企業ならではの苦悩や工夫に迫る。

前回記事は「日本に根付く「円安富国論」の幻想 アベノミクス停滞の深層

「値上げはぜんぜん考えぬ」
「値上げの時期は考えたい」
「近く値上げもやむを得ぬ」

 フォークシンガーの故・高田渡さんの楽曲、「値上げ」が流れる中、神妙な面持ちの社長と社員が一斉に頭を下げる──。2016年4月、アイス専業メーカー、赤城乳業(埼玉県深谷市)のおわび広告が話題を呼んだ。

ガリガリ君の値上げを伝える赤城乳業のテレビCMの一場面。大々的に値上げを取り扱ったのは異例で、海外メディアにも取り上げられた
ガリガリ君の値上げを伝える赤城乳業のテレビCMの一場面。大々的に値上げを取り扱ったのは異例で、海外メディアにも取り上げられた

 ユーモアいっぱいのおわび広告を出した理由は、看板商品である「ガリガリ君」の価格を、25年間据え置いてきた60円から70円に変えたからだ。

 原材料価格や物流費の高騰に直面し、「ほぼ利益が出ないくらい、ギリギリまで我慢しての値上げだった」と、赤城乳業の萩原史雄マーケティング部長は振り返る。「10円値上げするために、2年以上も議論した。こんな会社は他にないだろう」

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