化学業界にインフレーションの荒波が押し寄せている。財閥系化学メーカー3社(住友化学、三井化学、三菱ケミカルグループ)の2022年4~9月期連結決算は、いずれも最終減益。通期業績予想の下方修正も相次いだ。原燃料価格の上昇がかねて頭痛の種となっていたが、景気後退に伴う需要の減退ものしかかってきた。

財閥系化学メーカーの2022年4~9月期連結決算はそろって最終減益となった(三菱ケミカルと旭化成が岡山県倉敷市で共同運営するエチレンプラント)
財閥系化学メーカーの2022年4~9月期連結決算はそろって最終減益となった(三菱ケミカルと旭化成が岡山県倉敷市で共同運営するエチレンプラント)

 22年4~9月期の連結決算で住友、三井、三菱の化学3社に共通しているのは「増収減益」だった点だ。もともと期初予想段階で最終減益になるとの見通しを示しており、良くない予想が的中した格好だ。

 ただし住友、三菱の両社は期初想定から最終減益幅を縮小させた。原燃料などのコスト上昇による利益押し下げ影響は大きかったものの、急速な円安や、地道に進めてきた価格転嫁の効果に下支えされた。

 注目したいのは下期以降の業績予想だ。エチレンプラントを持つ総合化学6社で見ても、基礎化学品を製造・販売する関連会社の売却益(3億3000万米ドル=約480億円、11月10日時点のレートで換算)を計上した三井化学以外の5社は通期の純利益予想を下方修正した。通期の予想業績から上期実績を差し引いた下期分だけを取り出してみると減速ぶりが目立つ。

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 下方修正が相次いだ背景には、世界的に景気の減速感が広がっていることがある。ロシアによるウクライナ侵攻などを受け、資源価格が高騰。各国の中央銀行による金融引き締め政策も相まって景況感は悪化しており、川下の需要はしぼみつつある。

 特に顕著なのが、スマートフォンやIT機器、テレビなどの家電の落ち込みで、これに伴って半導体やディスプレーパネルといった部品・部材にも影響が出ている。

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