日本製鉄が、電動車のモーターに使う「電磁鋼板」の特許を侵害したとして、トヨタ自動車と中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄を東京地裁に提訴した。宝山は日鉄の前身、旧新日本製鉄が1970年代末に製鉄所建設を支援した相手だ。巨大なライバルとなった「教え子」と大口顧客の自動車メーカーを相手取る異例の提訴の背景を緊急連載で読み解く。

 「電磁鋼板は脱炭素時代のキーマテリアルであり、当社にとって大変重要な技術。侵害されていることは看過できない」。日本製鉄は憤りを隠さない。

 日鉄が2010年に出願し、30年5月まで有効期限がある電磁鋼板に関する特許「特許第5447167号」。日鉄がトヨタの電動車に使われた宝山鋼鉄製の電磁鋼板を入手して分析したところ、成分や板厚、結晶粒径、磁気特性といった項目について数値などの結果が特許とほぼ重なったという。

宝山鋼鉄の生産拠点。日鉄は宝山製の電磁鋼板が自社の特許を侵害していると主張する(写真: 新華社/アフロ)
宝山鋼鉄の生産拠点。日鉄は宝山製の電磁鋼板が自社の特許を侵害していると主張する(写真: 新華社/アフロ)

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