
日本製鉄の瀬戸内製鉄所呉地区の高炉が9月末に休止した。2023年9月末までには呉地区全体が閉鎖となる。日鉄や協力会社で働く従業員が働く場を失い、地域経済へのダメージは計り知れない。シンボルの高炉の火が消えた鉄の企業城下町に再生への希望はあるのか。
日鉄従業員受け入れに意欲
広島県産の煮干しイワシを原料にした「いりこだし」を製造販売する調味料メーカー、味日本(広島市)。10月28日に開かれる日鉄関連の従業員向け合同企業面接会に参加する予定だ。「呉の製鉄所は創業から70年、地元を支えてきた。弊社も創業95年、地元が困っているのなら少しでも受け皿になって広島を盛り上げたい」。味日本の総務担当者は、呉の製鉄所がなくなることで地元経済や雇用が落ち込まないか懸念する。

終戦から6年後の1951年、戦艦大和を建造した日本海軍呉工廠(こうしょう)跡地に旧日亜製鋼が製鉄所を建設した。それ以降、鉄鋼を中核に重厚長大産業で栄えてきた呉は今、“城主撤退”という試練に直面している。
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