帝人は、女性をターゲットにした善玉菌サプリメントの新ブランド「melito(ミライト)」を立ち上げた。第1弾として、膣(ちつ)内の調子を整える乳酸菌「UREX(ユーレックス)」をはじめ3商品を発売した。女性の悩みや健康面の不安をやわらげる「フェムテック」の分野に本格参入した背景には、帝人の屋台骨の1つであるヘルスケア事業が抱える構造的な課題がある。

 専用サイトを通じて販売を始めたのはユーレックスのほか、アトピー性皮膚炎に対する調査結果が報告されている乳酸菌「LGG」と自然由来のビフィズス菌「BB-12」で、いずれも1袋60粒入りで税込み2970円。順次ラインアップを充実させていく考えだ。

帝人は善玉菌サプリメントでフェムテック市場に本格参入する

 新ブランドの目玉であるユーレックスをめぐり、帝人は2020年にデンマークのバイオサイエンス企業、クリスチャン・ハンセンと販売代理店契約を結んだ。これまでは原材料として提供してきたが、今回、一般消費者向けのビジネスに乗り出した。

 帝人の調査によると、更年期対策や骨ケア、デリケートケアといった女性特有の健康課題に対応した、善玉菌を含んだプロバイオティクス食品の国内市場規模は115億円。整腸や免疫力向上、生活習慣病予防といった従来の領域に比べると規模こそ小さいが、20年は19年比で15~40%程度の伸びを見せている。帝人でヘルスケア事業を統括する森山直彦・取締役常務執行役員は「市場の蓋を開けていきたい」と新規開拓に意気込む。

帝人の森山直彦・取締役常務執行役員は新規市場の開拓を目指す

 レーヨンの生産を祖業に1918年に創立した帝人は化学繊維メーカーとして歩んできたが、70年代に大規模な多角化を進めた。当時の売上高の10倍近くに相当する「売上高2兆円」を目指すという壮大な計画のもとで、立ち上げた事業は50以上を数える。ブラジルでの牧場経営、外車の輸入販売、中東での石油採掘……。とりとめのない拡大策は石油ショックもあって、ことごとく頓挫。そんな中で唯一残ったのが、医療・医薬品事業だ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り788文字 / 全文1608文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「インダストリー羅針盤」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。