高性能なパワー半導体に使うSiC(炭化ケイ素)ウエハーで世界首位の昭和電工が、パワー半導体で世界最大手の独インフィニオンテクノロジーズと提携した。昭和電工がインフィニオンにウエハーを長期供給するほか、次世代材料の共同開発にも乗り出す。「昭電フィニオン」という強者連合が生まれた裏には、技術革新のためにインフィニオンが昭和電工を頼った構図も見えてくる。

昭和電工はパワー半導体向けSiCウエハーで世界首位
昭和電工はパワー半導体向けSiCウエハーで世界首位

 直流と交流の変換や、電圧の変換などに使うパワー半導体。パソコンやエアコンのモーター制御用インバーターといった身近なところでも働く。太陽光発電所の整流やEV(電気自動車)のモーター制御でも欠かすことができない。

 電力を生み出してから、その電力を使って機械を動かすまでには何度も電力変換を繰り返す。その変換の間、電力の損失が必ず発生する。その損失をどれだけ減らせるかを左右するのがパワー半導体だ。損失が減れば全体の電力消費量は減り、損失に伴って発生する熱も減る。2050年の「カーボンニュートラル」達成に向けて今、いいことづくめの「グリーン半導体」の性能向上に注目が集まる。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1686文字 / 全文2164文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「インダストリー羅針盤」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。