1908年に欧州で発明され、20年代後半から国内で生産が始まった「セロハン」。セロハンテープや、工作で使う赤・黄・緑・青の色セロハンなど、人々にとってなじみの深い素材だが、需要は縮小傾向にあった。そんなセロハンが復権の兆しを見せている。

(写真:PIXTA)
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 「価格よりも環境面を重視する動きが広がれば、増産に入りたい。社内のコンセンサスは取れている」。段ボール大手レンゴーの海老原洋専務執行役員は、セロハンを使った新商品についてこう意気込みを語る。

 セロハンを国内で生産するメーカーは、ピーク時には13社に達した。ポリエチレンと組み合わせた「ポリセロ」が食品の包装材などに広く使われていたが、70年代から耐久性や耐水性に勝るプラスチックフィルムに需要を奪われ始める。生鮮品やパン、おにぎりなど、食品の個包装が進むにつれてセロハンは駆逐されていった。今も国内でセロハンの生産を続けるのは2社だけだ。

 その1社であるレンゴーでセロハンを生産する武生工場(福井県越前市)には、かつては6台のセロハン生産設備があったが、今では2台まで減っている。チョコレートやあめ玉のひねり包装や、セロハンテープ、粉薬の袋など、「ねじって包んだ場合に勝手にほどけない」「静電気を帯びにくく引き裂きやすい」といった特性を生かせる分野で辛うじて生き残っているのがセロハンの現状だ。レンゴーの海老原氏は「使われているというよりは、ごく一部残っているというほうが正確」と自嘲気味に話す。

 そんなセロハンに吹いたのが「脱プラスチック」の追い風だ。

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