工場自動化(FA)を支える空気圧縮器で世界最大手のSMCは、主要サプライヤーを集めた生産拠点を岩手県遠野市に新設する。SMCは災害リスクに加え、後継者問題や人材不足などの課題を抱える中小サプライヤーの現状に危機感を持つ。新たな生産拠点は部品メーカーの持続性にも目配りした、本気の事業継続計画(BCP)を実践する舞台となる。

 新拠点はSMCの遠野工場(岩手県遠野市)の隣接地に設ける「遠野サプライヤーパーク」。東京ドーム3.8個分に相当する約17.8ヘクタールの敷地に、2025年春からの本格運用を目指して工場や倉庫を建設する。食堂や休憩所、宿泊施設などの整備も検討している。現時点では、金属加工や樹脂加工、メッキ・塗装といったサプライヤー21社が進出し430人程度を雇用する見通しだ。

 サプライヤーパークでは、工場や倉庫、福利厚生施設に加え、検査装置など進出企業が共同利用する設備もSMCが用意するのが特徴。進出する企業は初期投資を抑えて生産を始められる。その代わりに、SMCは部品を優先して自社に供給するよう進出企業に求める考えだ。SMCは400億円規模を投資する。

SMCが2025年春からの本格運用を目指す「遠野サプライヤーパーク」(CG=コンピューターグラフィックス=を用いたイメージ図)
SMCが2025年春からの本格運用を目指す「遠野サプライヤーパーク」(CG=コンピューターグラフィックス=を用いたイメージ図)

 現在、現地ではSMC自身が遠野第2工場を建設中。その一角にサプライヤーの一部を招いて、23年春から先行運用する。

 製造業の現場における世界的な労働力不足に、工場内での感染症対策といった観点も加わり、FA機器への引き合いは強い。SMCは半導体や電気自動車(EV)向け車載電池などの工場向けの旺盛な需要を取り込み、22年3月期連結決算では売上高が7273億円、純利益1929億円と共に過去最高を更新した。

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