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 川崎重工業が25日、神戸市で株主総会を開いた。この後の取締役会で橋本康彦副社長が新社長に昇格し、ロボット事業から初となる経営トップが誕生した。橋本社長は医療用の手術支援ロボットなど新規事業を強くするとしている。

 しかし航空宇宙、鉄道車両、造船など主力部門が軒並み不振となりそうで、現時点で未定とする2021年3月期連結業績は最終損益が赤字に転じる可能性が高い。長期的に有望なロボット事業といえども、全社の損失をすべて補えるわけではない。非効率経営にメスを入れて早期に赤字から脱出する道筋を見つけるのが先決だ。

感染リスクを減らすため時間を短縮して議事を進行し、新社長への質問も出なかった(神戸市内)

 「今期連結業績は赤字になる可能性がある。新型コロナウイルス感染拡大によって世界の経済活動が停滞する影響を受けても生き残れるように投資や開発の費用を減らし、固定費を圧縮する」。株主総会で金花芳則新会長(総会時は社長)は、コロナ対策で間隔を空けて座る株主に向かって業績が悪化する見通しだと説明した。

 陸・海・空でダメージは広がる。バイク「ニンジャ」が代表する二輪車は、世界的な個人消費の落ち込みで販売が減りそうだ。鉄道車両も国や自治体、鉄道会社の投資抑制の影響を免れない。造船は商談遅れが懸念される。航空宇宙は世界で旅客需要が急減し、民間航空機向け胴体や部品の受注が大きく減りそうだ。