非鉄金属分野でメジャーの仲間入りを目指す住友金属鉱山のインドネシアでの戦略プロジェクトがお蔵入りとなった。ブラジル系企業と合弁で年産能力4万トンのニッケル製錬所を設けることを検討してきたが、交渉をまとめられなかった。プロジェクトを降りた住友鉱山の後釜に座ったのは中国企業だった。

 「我々が計画していた工期等について、パートナーとの間でズレがあった」。住友金属鉱山の野崎明社長は5月18日、市場関係者や報道陣に対する経営戦略説明会の席で悔しさをにじませた。成長戦略の要だったインドネシアのプロジェクトの検討中止を表明したのは4月25日。住友鉱山の株価は説明会前日までに約15%も下がっていた。

 「今回このような結果となったことは遺憾ではございますが、(中略)今後も資源の安定確保に努めてまいります」。検討中止の発表資料に住友鉱山はこう記した。中止したのは、インドネシア・スラウェシ島のポマラ地区で計画していたニッケル製錬所の建設プロジェクトだ。インドネシアは世界屈指のニッケル埋蔵量を誇る。

インドネシアはニッケルの一大生産地として知られる(スラウェシ島の採掘現場、2014年撮影、写真:ロイター/アフロ)
インドネシアはニッケルの一大生産地として知られる(スラウェシ島の採掘現場、2014年撮影、写真:ロイター/アフロ)

 このプロジェクトは住友鉱山とブラジルの資源大手ヴァーレを筆頭株主とするインドネシアのヴァーレインドネシア(PTVI)が共同で、2012年に事業化への事前調査を始めた。投資規模は「数千億円」(野崎社長)を想定し、18年には事業化に向けた最終調査に入っていた。事前調査から数えると約10年もの歳月を費やしてきた案件が、あと少しのところでつゆと消えたことになる。

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