新型コロナウイルス禍から空の旅客需要が息を吹き返す中、三菱重工業や川崎重工業の航空機事業がその勢いに乗り切れていない。不具合問題を抱えていた米ボーイングの主力機の受注回復ペースが鈍いためだ。三菱重工、川重ともに2023年3月期連結決算(いずれも国際会計基準)は好調だったが、航空機事業では我慢を強いられそうだ。

「(24年3月期の)計画は前期と変わらない見通し。しばらく低い水準が続く」。三菱重工の小澤寿人最高財務責任者(CFO)は5月10日、民間航空機の中でも主力のボーイング向けの事業について見解を述べた。
三菱重工はボーイングの1次サプライヤー「ティア1」。同社の中大型機「787」の胴体や主翼を主に製造する。民間航空機事業の23年3月期売上収益は前期比32%増の1445億円に伸び、事業利益も増加した。ただ、あくまで円安という為替の追い風、固定費の削減による底上げが理由で供給が一気に復調したわけではないのだ。
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