ウクライナ危機が宇宙ビジネスにも波紋を広げている。「ソユーズ」などロシアのロケットや同国管轄内のカザフスタンの宇宙基地は各国の人工衛星打ち上げに使われてきたが、予定通り打ち上げができないリスクが高まっている。すでに打ち上げの延期も決まる中、衛星運用など世界の宇宙関連サービス会社の問い合わせが相次いでいるのが三菱重工業。駆け込み寺の様相だが、同社の打ち上げ能力には限界がありピンチヒッターになれるかは見通せない。
「ソユーズが使えない。日本のロケットで打ち上げられないか」
ウクライナ危機が勃発した後、三菱重工には欧米を中心とする衛星運用会社からの問い合わせが引きも切らない。ソユーズとはロシア製ロケットの名称だ。
欧米日ロなど各国の民間企業はロケットに衛星を載せ、競うように打ち上げている。地球の高速通信網を整備したり、人や車、運輸の移動データを取得したりと目的は様々だ。
しかし、各国が頼りにしてきたロシアのロケットが計画通り打ち上げられそうにない事態に陥っている。代わりに三菱重工が手掛ける日本の基幹ロケット「H2A」や、開発中の次期ロケットで22年中に初めて飛ばす「H3」で代行できないか、という引き合いがきているのだ。
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