ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が、世界の半導体生産のサプライチェーン(調達・供給網)を揺さぶっている。半導体生産に必要なレアガス(希ガス)やレアメタル(希少金属)など原材料の一部にロシアやウクライナへの依存度が高いものがあるためだ。長期化している世界的な半導体不足に拍車をかける新たな要因となりかねない。
半導体の製造にはネオン、クリプトン、キセノンなどの希ガスが欠かせない。希ガスは地上の大気中にPPM(100万分の1)レベルでしか存在せず、空気から希ガスのみを取り出すのは極めて難しく、生産効率が悪くなってしまう。そのため、希ガスは酸素や窒素を製造するための空気分離プラントの副産物として製造されている。
日本には大規模なプラントが少ない。海外の生産効率が高い大型プラントに依存しているのが実情で、ある産業ガス国内大手の関係者も「国内で使われる希ガスの多くを、海外からの輸入品に頼っている」と認める。
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