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 新型コロナウイルスの影響で航空便が大幅に減り、空港運営も苦しい。公共施設を民間が運営する「コンセッション」方式のもと、オリックスなどが出資して関西国際・伊丹・神戸空港を運営する関西エアポートの山谷佳之社長は、業績の見通しが立たない中でも、2025年大阪万博などを見据えて事業の施策を練っていくと語った。

山谷 佳之(やまや・よしゆき)
1956年大阪府生まれ。神戸大学卒業後、オリエント・リース(現・オリックス)に入社。オリックス不動産社長、オリックス・クレジット社長、オリックス副社長を経て15年から現職。バブル崩壊、リーマン・ショックに続く3回目の危機だと新型コロナを位置づけている。

かつて重症急性呼吸器症候群(SARS)が航空業界を襲いましたが、今回のような規模の感染爆発は想定していましたか。

関西エアポート・山谷佳之社長(以下、山谷氏):いろんなイベントが発生することは空港というインフラを扱う限り、覚悟しないといけない。疫病は直面し得る大きなネガティブなイベントで、SARSのことは頭にあった。だが、これほど大きな影響を与える事態が起こる想定はできていなかった。

緊急事態宣言が解け、県をまたぐ移動の制約がなくなりました。

山谷氏:国内線は、すぐに元通りになるのは難しいだろうが、搭乗人数で見て3空港全体で7月に例年の40%くらいまで回復し、8月前半に50%まで戻ると予想している。ただ、第2波が来たらどうなるかわからない。

関空の国際線旅客数は5月、前年同月比で99.8%減まで落ち込みました。

山谷氏:国際線は世界的に少しずつ動き出している。欧州連合(EU)域内では日本国内と同じように移動の制限をなくす方向になっている。注意深く進み始めており、うまく回り始めれば「感染を抑え込めたんだ」と利用者の考え方も変わってくるだろう。

2020年3月期は新型コロナの影響で売上高にあたる営業収益が約8%、営業利益が約20%押し下げられ、それぞれ2158億円、524億円となりました。今期の見通しは。

山谷氏:読みきれない。貨物は順調だが、コロナと違う要因、例えば景気低迷などを理由に需要が落ち込む可能性もある。米大統領選など政治の枠組みにも左右される。19年、日韓関係がもつれたときは旅客数にかなり影響が出た。コロナを抜きにしても変化の激しい時代に入ってきている。

18年に台風21号で大きな打撃を受けました。今回は想定外の影響だったということですが、台風の教訓が生きたということはあったんでしょうか。