新型コロナウイルスは金融機関のあり方も大きく変えそうだ。国内メガバンクはコロナ禍の前から店舗の統廃合や人員構成の見直し、フィンテックなど次世代技術への取り組みなど構造改革を進めていたが、より踏み込んだ施策が必要になる。2019年度からの中期5カ年計画で「次世代金融機関への転換」を掲げているみずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長に、業務のデジタル化や将来の店舗の役割、新たな働き方について聞いた。

坂井辰史(さかい・たつふみ)氏
1984年東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入社。執行役員グループ企画部長、みずほ証券社長などを経て、18年4月から現職。石川県出身。60歳。(写真:吉成 大輔)

新型コロナウイルスの影響をどのように見ていますか。

坂井辰史・みずほフィナンシャルグループ社長(以下、坂井氏):感染の広がりがこれほどすさまじいものとは想定外でした。経済へのショックは大きく、未曽有の危機です。感染が収束するまでの長さ、影響の大きさ、広がりがまだはっきり分からず、覚悟を決めて対応しなければなりません。1~2年程度で収束するというのが一般的な見方ですが、ワクチンが広く行き渡るには3~5年かかるとの意見もありますので、長丁場になることを想定しなければいけません。

 新型コロナと共に生きる時代はすぐに終わらないでしょう。新型コロナにより、一人ひとりの生活、企業のサプライチェーンのあり方など日本社会に脆弱な部分があることが露呈しました。今後はじっと元に戻るのを待つのではなく、デジタル化の推進、グローバルサプライチェーンの再構築などをどんどんやるべきでしょう。

 我々もですが、日本企業は「新型コロナ後の経済、社会、産業のあり方を自ら創り出す」という気概でやっていくべきです。そうしなければ、生き残れません。転んでもタダで起きてはいけません。つらく厳しい時期が続くからこそ、もっと強くなる絶好のチャンスです。

コロナ・ショックでデジタル化などが加速しますか。

坂井氏:そう思います。これまで、今までのやり方を続けていた方が心地良いことから「(デジタル化などを)やらずに済むなら、それでいい」と考えていた面もあるでしょう。しかし、新型コロナによってデジタルデバイスを整備してみると、良い面がたくさん出ました。新型コロナを奇貨として、こうした動きを加速させるべきです。

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