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新型コロナウイルスの収束が見えない中、アパグループの元谷外志雄代表が取材に応じた。都心部を中心に急拡大してきたアパグループでさえ、今回の事態は「ホテル事業を始めてからの約35年間の中で一番厳しい」という。だが、この状況でも拡大意欲は衰えていない。むしろ「M&Aのチャンス」だという。

アパグループの元谷外志雄代表は、「コロナ禍で売り物件が出てきたらチャンス」だという。宿泊需要の落ち込みでしばらく厳しい状況は続きそうだが、拡大戦略を維持している。

新型コロナウイルスの感染拡大はホテル業界に大きな影響を与えています。

元谷外志雄・アパグループ代表:新型コロナ以前は、うちの都内のホテルでは日帰りプランなどを提供していたこともあり、稼働率が100%を超えていました。ところが3月に入ってから稼働率は50%程度にまで落ちます。4月に入ると30%と、さらに厳しい状態になった。ひどいときには、10%、20%のホテルもありました。ゼロみたいなもんですよ。

バブル崩壊やリーマン・ショック、東日本大震災など過去の危機と比べても厳しい状況ですか。

元谷氏:35年間ホテル事業をやっていますが、今までで一番厳しい。かつては東日本大震災が最大の危機だったと言っていましたが、それを超えます。外出を控えるようにということですから、そもそも宿泊需要が発生しないのです。インバウンド客はほとんどゼロですね。国内のお客さんも、移動を取りやめたり延期したりしているのでほぼゼロです。出張需要も通常の半分くらいしかありませんでした。

今期も黒字の見込み

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、需要が戻るまで時間がかかりそうです。

元谷氏:テレワーク用の日帰りプランや医療従事者向けの半額のクーポンなど、需要のありそうなものを用意しました。通常のような稼働率100%を達成するのは難しいとしても、何もやらないよりは良くなっています。無症状・軽症者用のホテルとして、行政に7棟のホテルを貸し出すこともしています。政府筋から打診があり、こういう国難のときなので即座に「貸します」と言いました。予約のお客さんには別のホテルに移ってもらい、ホテルのテナントさんには一定額をお支払いして納得してもらいました。