新型コロナウイルスは企業活動に大きなダメージを与えている。この危機に企業がどう対応するかは、足元の存亡だけでなく今後の成長可能性も決定づける。M&A(合併・買収)を通じて、常日ごろから日本の多くの企業経営者と接点を持つ米投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)ジャパン社長の平野博文氏に、日本の企業トップが今、考えるべきことを聞いた。

平野博文(ひらの・ひろふみ)氏
1983年慶大卒、日興証券入社。89年に米シカゴ大学ブース・ビジネススクールで経営学修士号(MBA)取得。99年から日興プリンシパル・インベストメンツ会長。13年からKKRジャパン社長。19年からKKRアジアのPE(未公開企業投資部門)共同責任者を兼任。

今回のコロナ・ショックを経済的なダメージという観点でみると、マグニチュードは過去のどのような危機と比較できるのでしょうか。

平野博文・KKRジャパン社長:私が働き始めた1980年代からみても最大のダメージでしょう。(KKR創業者の)ヘンリー・クラビスに言わせれば、(1929年に始まった)世界大恐慌に匹敵するか、それ以上のインパクトだ、と言っています。

産業界では、コロナ前には想定もしていなかった変化が起きるのではないでしょうか。

平野氏:我々は今まで二つの大きなうねりがあると思っていました。グローバリゼーションとアーバニゼーション、つまり都市化です。一時的な停止や戻りが鈍いということはあるかもしれませんが、グローバリゼーションの流れは止まらないでしょう。ですが、コロナで人の行動、社会が変わる結果、アーバニゼーションの流れは大きく変わります。

 今までの一極集中、都市化から新たなムーブメントが起こります。今まで通り、週に5日、オフィスに行くことが働くということではないことが体で分かってきたからです。通勤のためにどれだけ時間を使っていたかを考えると、別の働き方があることに皆気づき始めています。KKRのニューヨークのオフィスでも、3割くらいの社員はもう戻ってこないでしょう。リモート勤務になります。今まで間違いないと思っていたトレンド、例えばカーシェアリングやシェアオフィスもそうですが、コロナをきっかけに変わる可能性があるのです。

そうした変化に企業はついていかないといけない。

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