JR山手線の新駅である高輪ゲートウェイ駅に、無人決済の仕組みを取り入れた小売店舗「TOUCH TO GO(タッチ・トゥー・ゴー)」が3月23日に開業した。店内に設置されたカメラと棚にあるセンサーが人と商品を追跡することで、客が棚から取った商品が自動で認識される。決済は店を出るときに交通系電子マネーをタッチするだけで完了する。米アマゾン・ドット・コムが米国で運営する「アマゾン・ゴー」に似た仕組みだ。
これまでの無人決済は、無人のレジカウンターで自ら商品をスキャンし会計するものが主流だが、この店は棚から商品を取るだけで認識が完了する。開業から2カ月近くがたち、対人の接客をせずに済むこのシステムが、新型コロナウイルスの感染拡大で注目されている。システムを開発し、店舗を運営するTOUCH TO GO(東京・新宿)はJR東日本スタートアップ(東京・新宿)と無人レジ開発などを手掛けるサインポストの共同出資会社。阿久津智紀社長に、アフターコロナの世界での実店舗の役割と併せて話を聞いた。

高輪ゲートウェイ駅に無人決済店舗を開業させて2カ月近くがたちますが、他社のセルフレジなどと比べて、どんな特徴があるのでしょうか。
阿久津智紀・TOUCH TO GO社長:タッチ・トゥー・ゴーはおにぎりや飲料など約600商品をそろえる小売店舗です。棚に設置したセンサーのほかに、店内の天井に設置した約50台のカメラが、入店した人と、棚から取られた商品の動きを認識し、レジでのスキャンなしで決済作業ができる仕組みです。
コンビニやスーパーなどで普及し始めたセルフレジなどと違い、棚から商品を取るだけで何を買ったかが分かり、最後に交通系電子マネーで支払えば買い物が完了します。棚の補充などで人手は必要ですが、決済作業には人手を介さないのが特徴です。
2019年にTOUCH TO GOを設立する以前に、17年から大宮駅、18年から赤羽駅の店舗で、実証実験をしていたそうですね。進化したのはどんな部分でしょうか。
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