葬儀業界は新型コロナウイルスの感染拡大で大きな打撃を受けた業界の一つだ。安定的な成長が見込めるはずだったが、感染防止のため葬儀は小規模になり、通夜や告別式なしで火葬する直葬も増えているという。葬儀大手の公益社などを傘下に持つ燦ホールディングスの播島聡社長に、新型コロナの影響と、今後の業界の見通しを聞いた。

播島聡(はりしま・さとし)氏
リクルートコンピュータプリント(現リクルートコミュニケーションズ)を経て、99年公益社入社。常務、専務を歴任し2011年副社長、16年に社長。19年より燦ホールディングス社長。甲南大卒。

新型コロナウイルス感染者の国内での初確認から1年が経過しました。葬儀業界への影響は大きかったのではないでしょうか。

播島聡・燦ホールディングス社長(以下、播島氏):影響が出始めたのは2020年2月ごろでした。20年3月期は非常に好調で、(売上高に相当する)営業収益も営業利益も前年を上回ったのですが、2月ごろから葬儀への参列者が徐々に減少していきました。

 感覚的な数字になってしまいますが、以前は参列者が40人前後の葬儀が多かったのが、国内での感染者が増えてきた20年2月ごろからは10~20人程度での開催が多くなりました。ご遺族は全国各地に離れて暮らしていることが多く、移動の自粛が求められる中では葬儀の参列者がどうしても減ってしまいます。近くに住んでいても、「密」を避けるために参列を控えざるを得なかった方々も多数いらっしゃいます。

 その頃からはイベントの自粛も始まったので、ホテルなどで行う1000人以上が集まるような大規模な社葬やお別れの会もほとんどが中止や延期となりました。

 葬儀の件数自体はあまり変わっていないのですが、小規模化によって葬儀の施行収入は20年4~6月期が16.9%減、7~9月期が15.4%減となりました。さらに参列者に出す料理の数が少なくなり、お持ち帰りいただく返礼品の売り上げも減少しました。営業利益は4~6月期が55.5%減、7~9月期が42.9%減と大きく減っています。

新型コロナの影響が出始めてから、どのような対策を取ってきましたか。

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