シリーズ
高尾泰朗の「激変 運輸の未来図」

53回
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国際線ようやく復活 ANAとJAL、通期黒字化へ3つの関門
ANAホールディングス(HD)と日本航空(JAL)が8月1日に発表した2022年4~6月期決算。両社の業績回復をけん引しているのは、この2年低迷を続けてきた国際線事業だ。ただ、通期の黒字転換にはもう一段の需要の上積みが不…
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「空飛ぶクルマ」は東京の空に羽ばたくか 離着陸拠点づくりに課題
2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)開催に合わせて実用化が期待される「空飛ぶクルマ」。政府は万博を次世代の移動技術のショーケースとすべくルールづくりを進め、国内企業もビジネスチャンスを模索する。一方で本格運用に向けて…
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もう聞かれない?「Beef or fish?」 ANAの接客、スマホ主役に
未曽有の需要蒸発を引き起こした新型コロナウイルス禍を経て、航空大手がサービスモデルの変革に取り組み始めた。非接触や「密」回避を求める消費者のニーズに応えつつ、業務効率化を図って収益構造を筋肉質にする狙いだ。合理化と顧客満…
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半導体不足の影も GW活況だった観光業、本格回復へ残るネック
10連休を取得した人も多いであろう、今年のゴールデンウイーク(GW)。3年ぶりに「制限なし」で迎えたこともあり、空港や駅、観光地は大いににぎわいを見せ、航空・鉄道の利用者数も2021年に比べ大幅に増えた。ついに日本も「ウ…
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JALは「シアトル経由パリ便」も 脱ロシアが導く供給網の明日
ウクライナ情勢が混迷を深める中、国際物流網が大きく乱れている。アジアと欧州を結ぶ航空の運航便数が大きく減り、需給が逼迫。新型コロナウイルス禍を発端とした物流網の混乱に拍車がかかっている。アジアを中心に世界に供給網を広げる…
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シベリア鉄道も北極海航路も使えず 打ち手乏しい国際物流危機
新型コロナウイルス禍に端を発した物流網の混乱に、ウクライナ危機が拍車をかけている。主要輸送モードの代替として模索されていたシベリア鉄道や北極海航路の活用はロシアのカントリーリスクの露見で見通せない。海運や航空輸送の混乱は…
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混乱深まる国際物流網 ウクライナ危機でドバイ・香港が要所に?
コロナ禍で混乱が続く物流網にロシアによるウクライナ侵攻という難題が加わった。航空貨物の中心地である東アジアの空港や航空会社は対応に追われている。多くの企業がサプライチェーン(供給網)の再構築に迫られるのは必至だ。国際物流…
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ウクライナ危機でANA・JALが「ロシア回避」 物流網に影響も
日本の航空大手2社がロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアや欧州を発着する便の運航を相次いで取りやめた。旅客の流動は限定的な一方、日欧間の航空貨物需要は高いだけに、サプライチェーンに混乱が生じる可能性もある。
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ANA経営陣刷新に透ける3つの覚悟 反骨のLCC立役者も大抜擢
経営陣の刷新を2月10日に発表したANAホールディングス(HD)。HDと事業会社のトップに就く2人は、2023年3月期の黒字化が「必達目標だ」と意気込む。2人の新トップの経歴や実績を振り返りながら人事の真意を推し量ると、…
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JR東、ANAなど久々の営業黒字 早期復活の鍵は出張需要?
コロナ禍で苦しんできた鉄道・航空業界にかすかな光が差し込んだ。旅客需要が一定程度回復し、2021年10~12月期にJR東日本やANAホールディングスなどが営業黒字に転換したのだ。「恵みの秋」を経て、早期の業績回復に向け取…
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JAL、貨物機再導入へヤマトとタッグ 繰り出した「奥の手」
日本航空(JAL)が貨物専用機の運航に再び乗り出す。選んだのは宅配最大手、ヤマトホールディングスとタッグを組むという道だ。航空輸送の重要性が高まる中でも、需要のボラティリティー(変動性)が高い航空貨物のリスクを抑える工夫…
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「Go To待ち」露呈のANA・JAL 黒字化に必要な立ち回り
航空需要の回復ペースが鈍い。背景にあるのは新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」の存在ではない。観光業界を助けるはずの「あの」政策の動向が大きく関わっているようだ。
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再編なしでどう生き残るのか、ANA・JALが突き付けられる問い
危機はしばしば再編を呼ぶが、2社が統合する可能性は低い。両社は新型コロナウイルス禍がもたらした荒野に、自ら活路を見いださなければならない。「航空業界」の固定観念を打ち破った先に未来が見えてくるだろう。
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「飛べない世界」でも堅調だった航空マイル事業、“良質”な顧客を収益に
コロナ禍で航空需要が激減しても、マイレージ・クレジットカード事業の顧客は離れなかった。航空一本足の事業構造が抱える脆弱性を痛感した両社とも強化を急ぐ。米国系には利益の3割を稼ぐところも。成長余地はまだある。
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「私の目の黒いうちは...」、JALの「お目付け役」に聞く生き残りと再生
特集連載「ANA・JAL 苦闘の600日」の第7回。今回は日本航空(JAL)のキーマンにコロナ禍対応の振り返りと再生への展望を聞いていく。「私の目の黒いうちはそんなことはさせないですよ」。8月、2021年4~6月期の決算…
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ANAHDナンバー2、コロナ禍で逆風も「拡大路線に後悔なし」
期初時点での黒字予想から一転、2022年3月期が2期連続の最終赤字となる見込みだと10月末に発表したANAホールディングス(HD)。積極的に路線網を開拓してきたこの10年だったが、突然の危機で痛手を負った格好だ。ただ、芝…
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需要蒸発、見たことのない景色――ルポ:ANA・JAL 苦闘の600日
かつてこれほど急激かつ同時に需要を丸ごと失った業界があったろうか。日本の翼を担う2社を新型コロナウイルスの感染拡大が直撃した。「飛べない世界」でキャッシュが流出を続け、じりじりと余命を縮めていく。楽観と悲観のあわいに揺れ…
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ピーチ森CEO「ANAとのコードシェア、断る理由ない」
ANAホールディングス(HD)傘下のLCC(格安航空会社)、ピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)は10月31日から、全日本空輸(ANA)が運航していた一部の便を代わりに運航する取り組みを始めた。8月からはANAとの共同…
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JAL系LCCジップエア西田社長「長距離路線だからこそ、戦える」
日本航空(JAL)がLCC事業の強化に動いている。その中心にいるのが、2020年に初就航を果たした完全子会社、ジップエア・トーキョーだ。JALは24年3月期にグループの格安航空会社(LCC)3社合計でEBIT(利払い・税…
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黒子のJAL、融合のANA 成長の鍵を握るLCC戦略の成否は
日本の「LCC元年」から約10年。新型コロナウイルスの感染拡大に苦しむ航空大手2社はそろって、再成長のエンジンにLCC(格安航空会社)事業を据えた。ただ、その戦略は微妙に異なる。それぞれが描く勝ち筋とは――。
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
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この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回