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航空大手が実施する「周遊フライト」が人気だ。日本航空(JAL)が11月14日に運航した「ハワイ旅行気分」を味わえる「羽田発羽田着」のフライトは販売座席数に対して7.5倍を超える応募があったという。収入としては微々たるものだが、旅行熱が高まっている証左だ。足元では新型コロナウイルス禍が再燃し始めているが、予約状況に大きな変化は生じていないという。

JALが運航した「ハワイ気分周遊チャーター」は大人気

 「コロナが収束すればまた海外旅行に行きまくりたいけど、まずは周遊フライトで」。こう話す50代の女性が、20代の娘と一緒に参加したのは、JALが11月14日に運航した「ハワイ気分周遊チャーター」だ。午前9時半過ぎに176人の乗客を乗せた航空機が羽田空港をたち、鳥取県の旧・羽合(はわい)町(現・湯梨浜町)の上空などを飛行。午後1時頃に再び羽田に戻ってきた。

 機材は、実際のハワイ線でも使う米ボーイングの「787」を使用。機内ではこれまた実際のハワイ線で提供される機内食が食べられる。一定の年齢層以上の消費者にはなじみがあるかもしれない、JALが1990年代から2000年代にかけ実施していたリゾート路線キャンペーン「リゾッチャ」の再現も今回のコンセプト。当時実施していた機内ビンゴ大会が実施され、大いに盛り上がったという。

 料金はビジネスクラス利用の場合、1人5万4000~5万9000円。エコノミークラスの場合は2万9000~3万5000円(1席を1人で利用する場合)と決して安くはない。だが、販売数に対し、7.5倍を超える参加申し込みがあった。JALは同様の周遊フライトを12月にも実施する予定だ。また、シンガポールをテーマにして特別に同国の料理を機内食に用意したり、同国を巡る謎解きゲームを実施したりという企画の他、夜空の星を楽しんでもらうといった多様なフライトを企画。総じて人気は高いようだ。

 一足早く、周遊フライトに取り組んだのは全日本空輸(ANA)。8月、ハワイ路線に投入している超大型機の欧州エアバス「A380」を使うなどしてハワイ気分を味わってもらう周遊フライトを実施すると、販売数に対し150倍もの参加申し込みがあったという。その後も定期的に同様のフライトを運航している。中堅のスターフライヤーは10月に機内でプラネタリウムを鑑賞できる周遊フライトを実施。これにも参加応募が殺到した。

 もっとも、周遊フライトによる収入は微々たるもので、これがコロナ禍に苦しむ航空業界の「救世主」となるわけではない。