ANAホールディングス(HD)と日本航空(JAL)が8月1日に発表した2022年4~6月期決算。両社の業績回復をけん引しているのは、この2年低迷を続けてきた国際線事業だ。ただ、通期の黒字転換にはもう一段の需要の上積みが不可欠で、そこには3つの変動要因が存在する。

「非常に順調なスタートが切れた」。2022年4~6月期の純損益が10億円の黒字となったANAHDの中堀公博グループCFO(最高財務責任者)はこう語った。JALの同期の純損益は195億円の赤字だったが、前年同期から赤字幅は大幅に改善した。
業績回復のけん引役は国際線だ。コロナ禍による貨物スペ―スの供給不足や海運の混乱などを背景に、航空貨物の運賃高騰が続く。ANAHDの国際貨物事業の売上高は前年同期比4割超増の947億円となった。
JALも貨物郵便収入が前年同期に比べ4割弱増えている。ここに国際線旅客の需要回復が重なった。国をまたいだヒトの往来は正常化しつつあり、日本の水際対策は緩和に向かう。両社の4~6月の国際線旅客数は前年同期比で5倍以上に増えた。
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