配車アプリ最大手のモビリティテクノロジーズ(東京・千代田)がNTTドコモから最大200億円の追加出資を受ける。配車アプリ各社のビジネスは利益を稼げる段階ではないうえ、新型コロナウイルスは逆風となった。それでも次世代移動サービス「MaaS」など、様々なサービス・機能を競う時代がやってくるからだ。米ウーバーテクノロジーズが国内のサービス地域を広げるといった競争もあり、各社の動きが激しい。

モビリティテクノロジーズは配車アプリ「JapanTaxi」「MOV」を展開する
モビリティテクノロジーズは配車アプリ「JapanTaxi」「MOV」を展開する

 モビリティテクノロジーズはタクシー大手、日本交通ホールディングス(HD)の旧ジャパンタクシーとディー・エヌ・エー(DeNA)の配車アプリ「MOV」事業が統合して4月に発足した。ドコモは2018年、旧ジャパンタクシーに約22億円を出資していたが、7月13日、まず100億円を追加出資することを発表した。さらに100億円を出資する可能性がある。

 ドコモの200億円の出資が完了すれば、モビリティテクノロジーズの累計調達額は400億円近くに達する。日本交通HDとDeNAが共同筆頭株主で、他にはトヨタ自動車やKDDIも参画。今回、ドコモの他に電通グループ、東京センチュリーなども計約26億円の出資を決めた。

 配車アプリは大きな収益を上げる段階には至っていない。旧ジャパンタクシーの19年5月期の売上高は19億円で、最終損益は29億円の赤字だ。新体制となった今期も黒字転換には至らない可能性が高い。

 コロナ禍という逆風もある。緊急事態宣言下では外出自粛の流れの中でタクシー需要が急減。5月の全国のタクシー会社の合計売上高は前年同月比で6割以上減少した模様だ。

 そんな中でもモビリティテクノロジーズが大型の資金調達を実現した背景には、タクシーの配車という機能だけにとどまらない様々な役割が期待されていることがある。

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