スカイマークが「第1関門」を突破した。6月28日、2021年3月期決算を発表し、営業損益は316億円の赤字となったものの、純損益は163億円の赤字に抑え、債務超過は回避した。ANAホールディングス(HD)や日本航空(JAL)といった大手に比べ、早期の黒字転換が見込めそうではあるが、今後の債務超過リスクはいまだ拭えない。「第三極」の現在地を探る。

スカイマークは債務超過を「繰り延べ税金資産」の計上で回避した
スカイマークは債務超過を「繰り延べ税金資産」の計上で回避した

 スカイマークの21年3月期の売上高は340億円となり、前の期に比べ6割以上減った。この減少率はANAHDやJALとほぼ同水準だ。営業損益は316億円の赤字。20年4~6月は1回目の緊急事態宣言で需要が急減し、7~9月の繁忙期はコロナ禍の「第2波」でやはり需要減に沈んだ。一方で10~12月は「Go To トラベル」の「東京追加」などの影響で一定程度持ち直している。

 スカイマークは四半期ごとの決算を公表していないため、詳細は不明ではあるが、少なくとも20年4~9月期の営業赤字額は、9月の時点で佐山展生前会長が一部メディアに示していた100億円を大きく超えたことは間違いなさそうだ。

 一方で、21年3月期の純損益は163億円に圧縮し、104億円の純資産を残した。債務超過は回避したわけだ。要因は実質的な税金の前払い分である「繰り延べ税金資産」を120億円計上したこと。繰り延べ税金資産は将来の利益をあてにしている。監査法人はスカイマークが描いた業績回復のシナリオを一定程度、合理的だと判断したわけだ。

 確かに、スカイマークの黒字転換はANAHDやJALといった大手に比べ幾分早そうだ。

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