航空業界に再編の波が押し寄せている。九州を地盤とするソラシドエア(宮崎市)と北海道地盤のAIRDO(札幌市)は5月31日、共同持ち株会社を設立すると発表した。ANAホールディングス(HD)や日本航空(JAL)といった大手に比べ財務基盤はぜい弱で、新型コロナウイルスの感染拡大による打撃が深刻な中堅2社。株主構成など共通点は多く、合理的な合従連衡にも思えるが、コスト削減など統合効果は未知数。再編ドミノは連鎖する可能性もある。

「九州・沖縄の翼」ソラシドエアと「北海道の翼」AIRDOが統合に向け動きだした(写真:Aviation Wire/アフロ)

 大きなイベントスペースに報道陣が押し寄せ、向けるカメラの先では2社のトップががっちりと握手を交わし、笑顔を見せる──。経営統合は企業経営の中でも最も重要な節目であり、注目度は高い。通常は盛大に発表するものだが、今回は違った。中堅航空会社、ソラシドエアとAIRDOが経営統合を明らかにしたのはそれぞれが実施した2021年3月期決算の発表会見の場。ソラシドの高橋宏輔社長とAIRDOの草野晋社長が並び立って、統合に向けた抱負を語る機会は当分先となる。

 発表に派手さが欠けるのも無理はない。今回の再編劇はいうなれば「野心なき統合」だからだ。

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